第一部:ゲート 開けり
プロローグ 2 とある帝国軍団の壊滅
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(銀座事件の数か月前)
「帝国」
この名前は特地における覇権国家の事を指す。知られている限りの国家、部族を従属させる唯一の「帝国」であることから国名を持たないという、ある意味ふざけた理由の国家だが、例えばローマやモンゴル帝国に近い派遣国家である。かつては共和制の小国だったが戦争で版図を広げ、その過程で一貫した政策を取れる帝政に移行した。
中央集権制と封土制が併存し皇帝と元老院が統治している。
軍事、風俗は中世ヨーロッパ似だが、
歴史、政治制度はローマ帝国に似ている。というのも、どうやらこの世界においては当初全く人類は存在しなかったのだが、この異世界を作った神々が「ゲート」を他世界に繋げた際に偶然人間が紛れ込み、そのまま定住したのが始まりで、
その中にローマ人と思わしき存在がおり、彼らが徐々に権力を握りやがては主力となったので今に至るからだ。
この国はヒト種至上主義社会で、亜人は差別されていた。
地球で例えるならかつての白人と有色人種の関係、またはユダヤ人と白人の関係と言えばよいだろう。特に帝国上層部は見目麗しい亜人を奴隷にしようと戦争に勝利した後に略奪と奴隷狩りを行い、
多くの亜人の部族を滅ぼし、中小国を自国の傀儡国家へと実質併合していった。
この国は攻め込んだ国・部族と一旦協定を結び、直後に連絡の不備や時間差から起きた偶発的な問題を理由にして反故にする」という騙し打ち的な戦略が常套化しており、どこぞのイギリスですら白い目を向けるような民度の国であった。基本的にローマ帝国や遊牧民の国家と同じく、略奪を他所からして資源や奴隷を確保しないと経済や国家統制が出来ない体制なので、侵略戦争は常態化していた。
近年ではほぼ周辺諸国を征服したので情勢は安定し、安定しすぎているが故に行き詰り、新たな奴隷の確保などが出来ないので閉塞感が国中を覆っていた。この状況を打開しようと現皇帝モルトは苦悩していた。そんな時であった、「穿門法」と呼ばれるとある秘術を、冥府の神{ハーディ}が彼に言及してきたのは。
冥府の神{ハーディ}は、一種の死後の世界である冥府を納める立派な神様の1柱である。だが、性格は非常に気さくではあるが、世界の調停を第一に守ろうと考えるゆえに俗人から見ればある意味非情な倫理観を持っており、更にとある困った特殊性癖の持ち主でもある等、まるでギリシャ神話や北欧神話の様に迷惑な存在でもある。
そんな冥府の神は、
自分たち神々の働きによって次第に停滞していくこの世界に憂いを抱き、この状況を打開すべく「帝国」を利用して新たな要素をこの世界に流すことで、停滞していく世界を再び活気づけようとする魂胆を抱いていた。
その誘惑に皇帝は見事乗っかり、彼は「門(ゲート」の存在を教わった。
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