第72話サイバー・サムライ
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「ない。GGOでは死んで蘇生ポイントに戻る時だけ。それに、街中じゃHPは絶対に減らないからその手は使えない!!」
マズイーーーテレポートが出来ないなら今すぐここから総督府まで飛ぶ事は出来ない。装備を選ぶのを手伝ってもらって、その相手まで遅刻するかもしれない状況に立たせるなんてーーーオレだけならともかく、シノンまでエントリーに遅刻して出られませんでしたなんてシャレにならない。エントリーに5分かかるとして、あと3分で到着しないと。何か、何かないかーーー
「ッ!!あれだ・・・!!」
オレはシノンの手を握ってーーーレンタルの三輪バギーの後ろのシートに乗せる。オレは前に座ってハンドルを握って、バギーのエンジンをかける。
「しっかり掴まってて!!」
「うわぁ!?」
オレはバギーを発進させて、高速道路に入る。いつもなら乗り物酔いを発症するところだが、生憎オレが乗り物酔いを起こす条件をこのバギーは満たしてない。オレはワゴン車くらいの大きさなら平気で乗れるし、新幹線くらいのスピードじゃないと酔わない。
「何で!?このバギー、運転がメチャクチャ難しくて、まともに走れる人ほとんどいなかったのに!!」
「現実でも乗ってるんです。マニュアルバイクなんで、このバギーも勝手がよく似てるんです」
マニュアルトランスミッションの免許がこんな時に役に立つなんて、ホントに免許取ってよかったぜーーーそう思っていたら前を走行してるバスに激突しそうだったから急いで右に移動する。
「きゃあ!!」
「大丈夫?」
今の車線変更で悲鳴をあげオレの背中にシノンが顔をぶつける。その時シノンの手がオレの胸に当たってちょっと力が抜けそうになったが、なんとか持ちこたえて声をかける。でも顔をあげたシノンはーーー
「あはは・・・あはははは・・・すごい!気持ちいい!!」
どうやらご満悦のようで、楽しそうな笑みを浮かべている。
「ねぇ、もっと・・・もっととばして!!」
「OK・・・振り落とされないでくれよ!!」
かなり急ぎだけど、このツーリングを楽しみながら総督府へバギーを走らせていく。BoB出場のために。オレはそれに加えてーーー死銃という謎のプレイヤーに会うために。
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