第72話サイバー・サムライ
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で見た方がいいらしい。教えられた通り構えて、標準と的を重ねて引き金に指を据えてーーー縮小と拡大を繰り返す円を認識する。
「今、あなたの視界にサークルが表示されているはず」
「はい」
「それが攻撃的システムアシスト、《着弾予測円》よ」
GGOには銃弾を回避するための《弾道予測線》と同じように、銃弾を当てるためのシステムアシストの《着弾予測円》が存在する。弾はこの円の中にランダムで当たるらしく、命中させるにはこの円を小さくする必要があるそうだ。命中率を上げるには対象に近付く事。そして他には冷静になることなどがある。《着弾予測円》は心臓の鼓動に応じて広がってしまうから、なるべく落ち着いた方がいいらしい。
心臓の鼓動を小さくすればサークルは小さくなる。そのためにはイメージだ。心臓が止まったら、そう思えばいい。オレは死人、死んだ人間だ。心臓の鼓動なんて、ある訳がない。オレは指を引きーーー銃声を鳴らす。シノンが的を操作して、オレに近付けてくれた。その的にはーーー
「当たった・・・!」
「へぇ〜・・・初めてで当てるなんて、結構筋が良いのね」
的には確かに一つの穴が空いていた。真ん中にこそ当たらなかったが、少し左にずれて周りに亀裂が入った風穴が出来ていた。これなら予選に少しは通用するかもしれないーーー
******
試し撃ちも済ませて、オレとシノンは武器屋を出た。それにしても、シノンにはすごい世話になっちまったなーーー
「どうもありがとう。すっかりお世話になっちゃって・・・」
「ううん、女の子のプレイヤーってあんまりいないから・・・」
いや、オレ男です。可哀想だからって言って連れてきたの忘れないで。
「それに予選が始まるまで、特に予定なかったし」
「え?シノンもBoBに?」
「うん。これからエントリーするんだけど・・・」
そうか。シノンもBoBに出場するのか。銃器に関してはすごく知識が豊富みたいだし、オレの装備はシノンも全部知ってる。これは強力なライバルになりそうだなーーー
「しまった!あと10分しかない・・・!」
「え!?」
今は14時50分。確かBoBのエントリー締め切り時間が15時ジャストだからーーー確かに10分しかない!!!
「すみません!!オレのせいで・・・」
「ううん、私がうっかりしてたのが悪いの。とにかく急ぎましょ!!」
誰が悪いにしろ、早く総督府に行かないと。オレとシノンは総督府に向かって走り出す。でもここから総督府まではーーー目で見る限り3kmはある。
「あの、テレポート的な移動手段はないんですか!?」
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