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GATE 株式会社特地電工 〜彼の地にて 斯く戦えり〜
設立 株式会社特地電工
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れた名だたる有名大学の教授たちにさえ未だ分からない。現代科学を持ってしても分からないことがある、それが事態をややこしくした。
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都の担当課長と自衛隊施設科の尉官はそのあとも長いこと、時には机をたたき、時には手元資料をばらまいて、ついに拳と拳で語り合わなかったのが不思議なほどのハイテンションでやり合っていた。
が、定例会議の終了予定時刻を過ぎた頃には、すっかり議論の到達ゴールを見失って、黙り込んでしまっていた。
しばらくの沈黙の後、連絡会議を仕切る総務省事務次官が厳かに発言する。
「あー、もうほかに意見とかは良いですかね?まとめましょう。
GATEの向こう側の廃棄物の処理には、もうこれ以上、都に負担を求められないものと判断いたします。特に爆発の危険性が無いことを担保できるようになるまでは、都への廃棄物持ち込みを禁ずることといたしましょう。
やはりインフラはすべて、いつでも切り離せるようにGATEの向こうとこっちできっちり隔てる方向で考える必要がございます。GATEの向こうのゴミ処理問題以外にも、上下水道、屎尿処理、電力、通信などでも、問題が山積です。その手の会議はどれも、いつも火種がくすぶってございます。
そもそも、経済合理性を度外視した今のままでは、運用経費がかかりすぎて継続は困難でございます。これからは現地のみで完結できるように、国が先頭に立って、GATEの向こう側にインフラ専門の組織を整備することでこの問題の解決を図りたいと思うところでございます。
あー、あと、付け加えて、爆発の件はくれぐれも内密に願います。国民に不安を与えるのはよくないですからね。
そういうワケで、今回の廃棄物搬送禁止の理由は、
「都はGATEの向こうの行政権を放棄することになりました。GATEの向こう側を東京都内とはみなさず、別地方自治体管轄として考えることとします。このため、廃棄物の都内への搬送は法律上の越境違反に当たります」
ということにしますけれど、いいですね?さっきあんなに啖呵切ってやり合ってたんだから。・・・あっちにはいっぱい土地があって、これから先の未来は税収がずいぶん得られたかもしれないってのに、つまんないことでもったいないことをしましたね?」
こうして、その後、上下水道事業や電力事業、ガスや石油燃料ほかのエネルギー供給事業など、いくつかの組織が国の主導で立ち上げられることになった。そして、それら事業を建設工事方面でサポートすべく、これらインフラ関係全般の建設・施設整備を担う特定目的会社も設立されることとなり、それが「株式会社特地電工」ということになった。
・・・そう、なっちゃったのである。
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