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魔法少女リリカルなのは -Second Transmigration-
第5話 力の在処
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が恭也さんの頬に命中し、恭也さんは再び吹っ飛んだ。さらに地面に叩きつけられた。
「……ぁ…っ……!!」
声にならない呻き声を出す。ちなみに気で威力を底上げしとあるからかなり痛いだろうな。
「なのはを寂しがらせたりしない?みんなそれを望んでる?ふざけんなよ!!あんたは結局、自分の考えを押しつけてるだけだろうが!なのはの気持ちなんか全然わかってない!寂しくないなら、なのはが俺に相談なんかするかよ!!」
「な…に……!?」
「自分が飲まれるような力なら……捨てちまえ!そんなもの!!」
俺は収まらない怒り抱きながら、道場を出た。後ろで恭也さんがどうなっているかなんて、知りたくもなかった。
その日の夕方近く、俺は自室にいたのだが、
「……やっちまったよ」
ああ〜……と、頭を抱えながら布団の中で呻いた。
恭也さんにあぁは言ったものの、自分はそんなに立派な人間でも無いだろうよと現在、自己嫌悪の状態に陥っていた。
そんな中、部屋の入り口が開き、
「悠里〜……って、面白いくらい悶えてんな」
父さんが顔を出して、そのまま父さんは布団の隣に座り、苦笑しながら話しかけてきた。
「恭也と試合したんだってな?」
「……やるんじゃなかった」
「おいおい、責めてるわけじゃないぞ?恭也にはいい薬だろうよ。あとは本人次第だ」
そうだけどね、自分で言って後悔してるよ?ホントにそんな立派な人間じゃないもん、俺。
「まあ、恭也も結構ショックだったみたいだけどな。まさか『十文字』と『無双正拳突き』とはね……えげつないな」
「反省してるよ。……頭に血が上ってたし」
あれは流石に冷静でいられなかった。それに、怒りにまかせて拳を奮うなんて失格だよな。
「とにかく、お前はよくやったよ。あとは恭也となのはちゃん次第だろ。……課題はあるけどな?」
「……うるさいな」
俺は呟いてから寝返りを打つ。それを見て父さんはまた苦笑を漏らしていた。
「まだ晩飯には時間あるから、ゆっくりしてから来いよ?」
父さんは布団の上からポンポンと叩くと、部屋から出て行った。
とにかく、今回の件はこれにて終了だ。
恭也さんは約束通り、なのはといる時間を次の日から増やしたし、なのはも笑顔でいることが多くなった。
……翌日に恭也さんから謝られた時は驚いたけどな。土下座に最後は「俺を殴れ!」だし……
そして月日は8月、俺の運命が動き出す月へと移る。
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