第十九話 沖ノ島攻略作戦その2
[1/10]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
長い航跡をひいて全速力で走り続けていた第二艦隊は前方に無数の艦影を発見した。
「敵!?」
「いいえ、山城。あれは第一艦隊の子たちよ。」
比叡を先頭に第一艦隊の面々がこちらに走ってくる。ほっと安堵しかけた紀伊は肝心の艦娘が欠けているのに気が付いた。ざあっと波音を立てて比叡以下が第二艦隊に寄り集まってきた。
「金剛さんは?」
『金剛姉様は?』
紀伊、榛名、霧島が一斉に尋ねた。
「姉様は・・・・。」
比叡がぎゅっと硬く目をつぶりながら、
「姉様は一人追撃艦隊への殿で残りました。私もこれからすぐに引き返して姉様を救いに行きます!!」
『待ってください!!』
反転しようとした刹那、榛名と霧島が比叡をつかんで離さなかった。
「放して!!放してったら!!」
「私たちも行きます!」
榛名が言った。
「比叡姉様一人行かせるわけにはいきません。」
比叡の体から力が抜けた。
「でも・・・・。」
「金剛型4姉妹がそろえば、怖いものなしです。私たちのチームワークは、どんな敵にも後れは取りません。私たちはそうやって今まで戦ってきたんじゃなかったですか?」
「ちょっと!!」
山城が割り込んできた。
「勝手に話を進めないでよ。ねぇ、姉様。私たちもいるんだから。」
「ええ。二個艦隊が今ここでそろったんですもの。本隊も後続していますし、私たちも一緒に行きましょう。」
「でも、敵の戦力は私たちの何十倍なんですよ!!」
比叡はざっと敵戦力の陣容を説明した後
「だから、皆さんを巻き込むことはできません!」
「でも、それはそちらの都合でしょ?だからといってはいそうですかって言えるわけないよね?そんなことしたら多門丸に怒られるもの。ねぇ?蒼龍。」
「飛龍の言う通りよ。仲間を見捨てておめおめ生き残っても、一生後悔するだけだし。」
「だから今度こそみんなでいって助けようよ!」
「阿賀野姉の言う通りです!」
「夕立も突撃するっぽい!」
「あらあら、みんなやる気ね〜。でも、私も賛成よ。高雄に怒られるもの。」
艦娘たちが口々に声を上げる中、紀伊は讃岐を見た。顔色は相変わらず悪かったが、それでも力強くうなずき返した。
「私も行きたいです!だって今・・・・。」
讃岐は皆を見た。
「今ここには戦艦5、空母2、重巡1、軽巡2、駆逐艦1、そして私たち空母戦艦が2います。これだけの戦力で金剛さんを助けに行かなかったら、なんのために私たちは集まったんですか?」
「讃岐の言う通りです。比叡さん、榛名さん、霧島さん、もう迷っている時間はありません!早く!!」
紀伊の言葉に金剛型姉妹3人は一瞬顔を見合わせあったが、次の瞬間うなずき合っていた。
「わかりました。私が先導します。ついてきてください!」
比叡を先頭に第一第二艦隊は白波を蹴立てて全速力で金剛救出に
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ