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艦隊これくしょん【幻の特務艦】
第十九話 沖ノ島攻略作戦その2
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・・・・。』
影は左手を威嚇するかのように前に突き出したが、その手も解けるようにして、消えた。
『貴様ラハ・・・わかっているのか?』
突然エコーが切れたかのように人間の声が聞こえた。
『何故、戦うのか。誰のために、何のために、戦うのか、その理由がわかっているのか?』
「それは・・・・。」
長門は絶句した。困惑だけではない。あらためて突きつけられた問いに対して瞬時に応えられない事への驚きもあった。
『その理由を見いだせない限り・・・・貴様らは負ける。覚えておくがいい・・・・。』
「おい、待て!!」
長門が手を差し伸べたが、すでにその影は四散し始めていた。
『残念だ。』
最後に声だけが響いた。
『貴様らは敵だ。私が貴様らにとって敵であるように。だが、戦うことでしかお互いの思いをぶつけられないとはな・・・・。』
紀伊は既に上り始めていた月に向かって何かがすっと立ち上るのを見た気がした。
『深い深い暗黒に・・・・私も・・・・・。』
寂しく響いたその声はさほど大きくないにもかかわらず、悲しみをいっぱいにはらんでいた。


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