第十九話 沖ノ島攻略作戦その2
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犯して進んだ。
「有効射程距離ギリギリでいい。なんとか沖ノ島棲姫に届けば、それでいいわ!!」
3人は沖ノ島棲姫をかすめるようにして右翼から左翼に突っ切った。全速力で航行する3人に、海水の飛沫が顔に、主砲にかかる。猛烈な風の音が耳をふさぐ。
「零式弾装填!!主砲、発射、用意!!」
紀伊が風の音に負けじと叫んだ。
凄まじい爆風と水柱の中を3人の3連装主砲塔が沖ノ島に向けられた。
『41センチ砲弾ナド、私ニハ通用シナイ事ガ、マダ分ラナイカ?』
「やってみなければ、わかるわけないじゃん!!」
讃岐が叫んだ。それに呼応するかのように別の叫びがこだました。
「その通りよ!!」
その叫び声ははるか遠くから響いたにもかかわらず、誰の耳にも届いた。
「主砲、発射!!!テェ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ッ!!!!!!!」
沖ノ島の反対側から遠く光った閃光がきらめくのとほぼ同時に沖ノ島棲姫の背後が爆発し、燃え上がった。
『ガアッ!!!!!!!!!!』
深海棲艦が悲鳴と共に振り返る。その視線の先には一人の艦娘がいた。沖ノ島の背後、海上に一人強風に髪をなびかせながら立っている。
「あれ、あれ、あれ!?」
讃岐が仰天したように目を大きく見開いた。
「尾張・・・姉様?!」
「尾張?!」
紀伊型空母戦艦の3人は唖然としたように固まった。まだ発射煙の出ている41センチ3連装主砲を向けながら尾張は振りぬいた右手を下ろした。
「そいつの弱点は背後よ!!後ろを制してしまえば、何のことはないわ!!」
尾張が叫んだ。
「何しているの!?グズグズしていないで、今がチャンスよ!!主砲弾を叩き込んで!!とどめを刺して!!」
はっと紀伊は身じろぎした。
「零式弾装填中止!!敵が狼狽している以上、使う必要はないわ。弾を三式弾に変更して、徹底砲撃に切り替えるわよ!!」
『はい!!』
姉妹がそろってうなずく。
「主砲、発射、用意!!」
紀伊が叫んだ。近江も讃岐も、そして長門、陸奥、武蔵も、扶桑、山城も、負傷した大和も加古、古鷹に支えられて、主砲塔を向けた。戦艦だけでなく重巡戦隊以下も一斉に砲を構えた。
「テ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ッ!!!!」
紀伊が叫んだ。全艦隊が一斉に砲撃を沖ノ島棲姫に叩き込む。全艦隊だけでなく、残存航空隊も全力を挙げて上空から爆弾を一斉に落とした。島全体が吹き飛ぶかと思うほどの激しい砲爆撃が続いた。
炎の中から凄まじい絶叫が聞こえ、誘爆らしい爆発音が続けざまに聞こえた。
「やったか!?」
長門が叫んだ。
「効いてる!!効いてるわ、姉様!!」
山城が叫んだ。
砲撃が続き、砲弾が落下する中、炎の中でよろめきながら立ち上がった影がある。だが、既に背後の巨獣は消失し、その影もまた力尽きようとしていた。
『貴様ラハ
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