第十九話 沖ノ島攻略作戦その2
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「黙れ!!」
『ソレノミナラズ、馬鹿ノ一ツ覚エデ私ニ突撃シテクルナド、愚カ以外ノ何物デモナイ。何故諦メナイ。何ガ貴様ラヲ動カスノダ?』
「うるさい!!」
武蔵が再び前に出ようとしていた。
「駄目だ!!武蔵、やめろ!!・・・・・くそっ!!」
長門も加勢すべく、突撃を開始、陸奥もこれに続いた。紀伊型空母戦艦の3人もじっとしていられなかった。
「紀伊姉様!!」
「3人を見殺しにできない。近江、讃岐!私たちも行くわ!!」
『はい!』
「山城!」
「姉様、行きましょう!!」
扶桑型戦艦の二人も背後から進出してきた古鷹と加古に大和を託して後に続く。吶喊してくる艦娘たちを沖ノ島棲姫はかすかに目を細めてみていた。
『ソウカ・・・ソレガ貴様タチノ答エカ。』
沖ノ島棲姫が左手を振りぬいた。
『愚カ者共メ!!!間違ッタ事実ヲ抱キナガラ、深イ深イ海二、沈メ!!』
巨弾が発射された。武蔵、長門、陸奥、そして紀伊型空母戦艦の3人と扶桑型戦艦2人を猛烈な火力の嵐が襲った。
「クッ・・・・駄目だ。このままでは・・・・!!」
迫りくる猛火を腕でかばいながら長門がじりじりと後退した。
「近づくことすらできないなんて!!」
悔しそうに讃岐が言い、襲い掛かる飛沫と火を払いのけた。
「讃岐、近江!!零式弾装填!!」
紀伊が叫んだ。
「姉様?!」
讃岐は驚いた。零式弾は三式弾の更に上を行く猛烈な熱波と火力を散布させる秘匿兵器である。破壊力は絶大だが、これが敵に知れ渡れば、敵はさらなる対策を施してくるに違いなかった。
「この戦況を打開するには、もうこれしかないわ!!」
「でも、それは・・・・!」
「秘匿するべきものだから!?そんなもの、私たちが全滅すれば何の意味もなくなるわ!!」
「でも、諸元が!!」
零式弾は、ヤマトが新開発した新型砲弾であるが、扱い方がとても微妙なものだった。これは、一波目の光拡散地点、ついで二波目の熱拡散地点をどこに設定するか、初速をどうするか等の諸元を慎重に入力しなくてはならないためである。一歩間違えれば、砲塔内部で大爆発してしまう危険性すらあった。
このため航行しながらの射撃では、刻一刻と距離等の状況変化してしまうため、対応が上手くできない。軍令部も鎮守府も停止射撃を原則としていた。
だが、と紀伊は思う。今のこの状況では停止射撃を敢行する前に狙い撃ちされてしまう。全速力で接近しながらの航行射撃でしか勝機は得られない。
「讃岐、姉様の言う通りだわ。」
近江が言った。
「リスクがあろうとも、これを撃ち込まなくては勝機は得られない。やりましょう。」
ふうっと、讃岐は息を吐き出した。
「わかった。そうですよね!そうじゃないとアイツは倒せない。だったらやろう!」
紀伊型空母戦艦の3人は斜線陣形を取って、弾雨を
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