第十九話 沖ノ島攻略作戦その2
[4/10]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
3時間・・・あとは夜戦で敵を仕留めるしかないわ。そうなったらますます混戦して手が付けられなくなる。」
「野戦!?わぁ!!それこそ望むところ・・・モガモモモモ!!!」
「え〜すんません。抑えてるんで、どうぞそのまま続けてください。あはは。」
加古と古鷹が川内を抑えながら引きずるようにして下がっていく。それを見送った長門が気まずそうに咳払いをして話の流れを元に戻した。
「わかっている。今残存する航空隊及び新手の航空隊は目標を転換、敵の大艦隊に全力攻撃だ。各艦、展開する敵大艦隊には構うな!!空母部隊は全艦載機を射出!!重巡戦隊以下は敵艦隊の足止めを!私、陸奥、武蔵、大和、そして近江は全力を挙げて沖ノ島棲姫を集中攻撃!!これを徹底的に撃滅するぞ!!!」
航空隊の度重なる爆撃にも沖ノ島棲姫は沈黙したという報告がなかった。80番でもダメだというのであれば、巨砲弾による艦砲射撃で仕留めるしかない。
「行くぞ、全艦隊突撃!!」
長門たちは最大速力で薄紫色の空の下に浮かぶ沖ノ島に突進した。これを掩護すべく瑞鳳、赤城、加賀、そして近江が艦載機隊を発艦させ、展開する敵艦隊に攻撃を加える。遮る右翼の敵艦隊に対して航空隊が突貫を加え、さらに川内、深雪、長月がこれを叩く。古鷹、加古の重巡戦隊はその速力を活かして左舷に展開する軽巡以下の敵を叩き続けて牽制していた。なおも接近する深海棲艦は長門たちが直接主砲でとどめを刺していく。
「全艦載機、発艦してください!!目標、敵の主力戦艦部隊!!」
次々と放たれた艦載機隊のうち雷撃隊は敵の主力戦艦に超低空で突っ込んでいく。
「急降下爆撃隊、仰角70度で突っ込め!!ひるまないで!!なんとしても敵の足を止めなさい!!」
次々と戦艦部隊に攻撃が命中し、轟音と共に深海棲艦は海に沈んでいく。
赤城さん、と加賀は内心赤城の働きぶりを見ながら唇を噛んでいた。今の赤城は臆してなどいない。それどころか闘志を全開にして深海棲艦に挑んできている。自身も進出して艦載機隊を鮮やかに指揮しているのだ。
(誤った・・・。)
加賀は重い胸の痛みを覚えていた。『臆した?』などと言ってしまった自分が情けなかった。いや、横須賀へ来る前、あの会議室等ではもしかしたら臆してはいたのかもしれない。だが、それをいつまでも赤城は引きずってはいなかった。懸命にそれを押さえつけ、今自分ができることを精いっぱいやろうとしている。
「そうね。私も戦わなくては。今できることを精いっぱいやらなくては。」
そして、この戦いで生きて戻れたら赤城と話してみよう。今度こそ胸の内をお互い知り尽くしたい。加賀はそう思いながら弓に矢をつがえ、虚空に放った。
「あれか?」
長門の眼が細まった。泊地護衛艦隊に取り囲まれるようにして陸上にたたずむ巨大な影があった。その深海棲艦たち
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ