第十九話 沖ノ島攻略作戦その2
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がいない姉を助けようとして・・・みんなで・・・・。」
ぎゅっと拳が握られる。
「そしてそれは私も同じことデ〜ス!!こんなところで負けちゃいけなかったです。元気がないのは私らしくなかったネ!!」
35,6センチ連装主砲が勢いよく旋回して敵に狙いを付けた。
「皆さん・・・・。私が死んだら、ヴァルハラに謝りに行きマス。でも、今は死ぬわけにはいかないのデ〜ス!!fire!!」
轟然と主砲の発射音が海上にとどろいた。
30分後――。
沖ノ島海域に接近中の本隊に、第一艦隊と第二艦隊が合流し、殿としてとどまっていた金剛を救出したという知らせが入ってきた。
「よかった。」
陸奥はそう漏らした。当初の予定から大きく変わってしまったが、まだ一人の轟沈も出ていない。ここからならば巻き返せる。前線艦隊を後退させ、今度は本隊が前面に出る。
そのことを陸奥以上に肌身でわかっていたのが、長門だった。
「続け!!まだ敵は残っているぞ!!主力艦隊の名誉にかけて、絶対に敵を沖ノ島海域から生きて帰すな!!岩にかじりついてでも沖ノ島を奪取しろッ!!」
長門の号令に各艦娘の応答の叫び声がこだました。
その本隊が沖ノ島海域に到着し、続く増援の航空隊も戦闘海域に到着して、いよいよ総力戦の様相を呈してきたのは、日が夕暮れに差し掛かったころだった。
「ご苦労だった。」
長門は金剛、榛名以下の前衛艦隊の面々をねぎらった。
「金剛、大丈夫か?」
「わ、私は平気デ〜ス。」
比叡と榛名に支えられた金剛は気丈にうなずいて見せたが、全身傷だらけだった。そのほかの面々も敵艦隊との海戦で少なからず被弾している。飛龍、蒼龍は無事だったが、それでも艦載機たちの被害は小さくなかった。
「どう見ても平気には見えないぞ。前衛艦隊はいったん後方に下がって待機してくれ。後は、私たちがやる。」
「でも――。」
「お前たちばかりに任せて、私たちが後ろで指示を飛ばしていただけだと知られたら、提督方にお叱りを受けるからな。」
長門は傷に触らぬよう、そっと金剛の肩を叩いた。ふうと金剛はと息を吐いた。
「わかりましたデ〜ス。でも、無理しないでくださいネ。」
「あぁ。」
長門は本隊の面々を振り向いた。
「ここからは私たちの出番だ。覚悟はいいな?」
紀伊は近江を見てあっと声を上げていた。近江は顔色が優れないようだったが、それが理由ではない。もう一人のいるべき姉妹がいなかったことに驚いたのだ。
「尾張は・・・?」
その声が届いたのか近江は顔を上げてかすかに首を振った。聞くなという意味なのか、知らないという文字どおりの意味なのか、紀伊には測り兼ねた。
「あとで話す。尾張のことはとりあえず今は話すな。」
そう釘を刺した長門は陸奥に交戦可能時間を聞いた。
「時間にして交戦可能時間は約
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