第十九話 沖ノ島攻略作戦その2
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向かった。
「shit!shit!!shit!!!」
くそっ、くそっ、くそっ、と連呼しながら金剛は砲撃をやめなかった。絶えず水柱が彼女の周辺に立ち上がり、飛沫が顔にかかる。それを振り払いながら主砲弾を追撃艦隊に浴びせかける。
「fire!!」
発射した主砲弾は追撃してきた戦艦の1隻に命中し、大爆発を起こした。
「はぁ・・はぁ・・・はぁ・・・。」
金剛は滴る海水と汗とを一緒に拭った。敵の重巡戦隊は既に撃破していた。だが、それは足止めが成功したことに他ならなかった。ついに敵の戦艦以下が追い付き、猛烈な吶喊砲撃を加えて来ていた。航空機部隊と協力して戦艦3隻を撃破したが、敵はなおも大兵力を展開させて包囲しようとしている。のみならず上空からは絶えず敵機が来襲して波状攻撃を加えて来ていた。
金剛は頭上を見た。数十機あった護衛機はほとんど撃ち散らされるか離脱して、わずか数機を残すのみだった。それが新たに来襲した敵機編隊に向けて突入していく。
「私一人のために・・・・。」
金剛は自嘲とも取れるつぶやきを漏らしていた。自分のために何機が犠牲になったのだろう。そう思いかけてそれは欺瞞だったことに気が付いた。
「いいえ、あの子たちは私一人のために戦っているわけじゃなかったんですネ。私だけでなくて、比叡・・・飛龍さん・・・蒼龍さん・・・阿賀野さん・・・能代さん・・・夕立さん・・・そして、他のみんなのために戦っているんでシタ。」
頭上で大音響が起こった。残り少ない護衛機が敵艦載機に体当たりし、花火のように爆発して青い紺碧の海に散っていく音だった。最後まで銃弾を撃ち尽くし、それでもなお突進を辞めず、ついに自身をも武器に替え、命を張って敵を倒す。ある意味で潔い最後といってもいいかもしれなかった。
「それに比べて私は・・・・。」
生きていたがボロボロだった。連装主砲砲身がねじ折れて、片砲だけで撃っている。体にも無数の傷があって、鉛をぶら下げているようだ。全身を疲労が包んでいた。もう動けないと声を大にして叫びたいこちらの心境に無頓着である敵艦載機隊が金剛をめがけて殺到してきた。
「ここまで、デスか・・・・比叡・・・・榛名・・・・霧島・・・・・。」
金剛が肩を落とした。
「こんな頼りない姉で・・・・ごめんね・・・・・。」
金剛が覚悟の目を閉じた時だ。
頭上で大爆発が起こり、悲鳴に似た金属音があがった。太陽の光に一瞬目がくらんだ金剛が手をかざして上空を見た。
一機、二機、三機・・・十機・・・二十機と新たな航空機が飛んでくる。その後ろからもまだまだ編隊が続いてくる。味方の新手が到着したのだ。彼らは勝ち誇る敵の編隊に猛烈な銃弾を浴びせ、一斉に突撃していった。
「あの子たちはまだあきらめていなかったんですネ。」
金剛の眼に力が戻ってきた。
「ふ
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