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英雄伝説〜光と闇の軌跡〜(碧篇)
第113話
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ともかく。いかに厚顔無恥とはいえ、応用・強化する技術にかけては天才的な頭脳を持つのは確かだ。わしが開発した人形兵器もあやつに改造・強化された上で量産されていると聞いている。噂では、それらの機体が”塔”や”僧院”などにも配備されているらしいぞ。」

「あの塔の前にいたヤツか……」

「……確かにやたらと強そうな人形だったけど。」

ヨルグの情報を聞いたワジやロイドは病院に行く前に寄った”星見の塔”の前にいた人形兵器を思い出し

「しかし、それらの場所に配備されているという事は……やはり例の”大鐘”を守っているのでしょうか?」

ティオは考え込んだ後真剣な表情で尋ねた。



「その可能性は高いだろう。あのアーティファクトらしき”大鐘”についてはわしも個人的に調べていてな。何かわかったらお前達にも教えてやってもよい。」

「えっ!?」

「ほ、本当ですか!?」

「予想外な申し出ですね……」

ヨルグの申し出を聞いたエオリアとロイドは驚き、リタは目を丸くし

「へえ……?さすがに気前が良すぎない?」

ワジは興味深そうな表情で尋ねた。

「フン……此度の顛末についてはわしも少々頭に来ているからな。ノバルティスの若造もそうだが……わしが協力していた”劇団(アルカンシェル)”を無茶苦茶にされた事もある。」

「あ……………」

怒りの表情で言ったヨルグの話を聞いたキーアは不安そうな表情をし

「そういえば……舞台装置や自動人形(オートマタ)も全て破壊されたみたいですね。」

ティオは静かな表情で言った。

「うむ、全て作り直しだろう。その意味で、”赤い星座”とやらもそれを雇ったクロイス家の当主も個人的には許しがたい。娘の方は、わしの人形の熱心なコレクターのようだが……それとこれとは話は別だからな。」

「フフ、なるほどね。」

「……わかりました。正直、とても助かります。”大鐘”について何かわかったら是非、ご連絡いただけると。」

その後ロイド達は人形の案内によって門の前まで戻って行った。



「話を聞ければラッキーくらいに思っていましたが……協力までしてくれたのは予想外でしたね。」

門まで戻ってきたティオは口元に笑みを浮かべ

「ああ、”結社”とは言っても色々あるみたいだな。」

「”剣帝”や”漆黒の牙”のように裏切って”結社”の敵になる人達もいるものね。」

ロイドとエオリアは明るい表情で言い

「まあ、だからこそ実態が掴めていない組織なんだけどね。でもあの老人に関しては信用しても問題なさそうだ。」

ワジは溜息を吐いた後静かな笑みを浮かべた。

「そうですね。私達に協力する理由もあるみたいですし。」

「みんな、仲良くできるといい
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