第113話
[5/6]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
ともかく。いかに厚顔無恥とはいえ、応用・強化する技術にかけては天才的な頭脳を持つのは確かだ。わしが開発した人形兵器もあやつに改造・強化された上で量産されていると聞いている。噂では、それらの機体が”塔”や”僧院”などにも配備されているらしいぞ。」
「あの塔の前にいたヤツか……」
「……確かにやたらと強そうな人形だったけど。」
ヨルグの情報を聞いたワジやロイドは病院に行く前に寄った”星見の塔”の前にいた人形兵器を思い出し
「しかし、それらの場所に配備されているという事は……やはり例の”大鐘”を守っているのでしょうか?」
ティオは考え込んだ後真剣な表情で尋ねた。
「その可能性は高いだろう。あのアーティファクトらしき”大鐘”についてはわしも個人的に調べていてな。何かわかったらお前達にも教えてやってもよい。」
「えっ!?」
「ほ、本当ですか!?」
「予想外な申し出ですね……」
ヨルグの申し出を聞いたエオリアとロイドは驚き、リタは目を丸くし
「へえ……?さすがに気前が良すぎない?」
ワジは興味深そうな表情で尋ねた。
「フン……此度の顛末についてはわしも少々頭に来ているからな。ノバルティスの若造もそうだが……わしが協力していた”劇団”を無茶苦茶にされた事もある。」
「あ……………」
怒りの表情で言ったヨルグの話を聞いたキーアは不安そうな表情をし
「そういえば……舞台装置や自動人形も全て破壊されたみたいですね。」
ティオは静かな表情で言った。
「うむ、全て作り直しだろう。その意味で、”赤い星座”とやらもそれを雇ったクロイス家の当主も個人的には許しがたい。娘の方は、わしの人形の熱心なコレクターのようだが……それとこれとは話は別だからな。」
「フフ、なるほどね。」
「……わかりました。正直、とても助かります。”大鐘”について何かわかったら是非、ご連絡いただけると。」
その後ロイド達は人形の案内によって門の前まで戻って行った。
「話を聞ければラッキーくらいに思っていましたが……協力までしてくれたのは予想外でしたね。」
門まで戻ってきたティオは口元に笑みを浮かべ
「ああ、”結社”とは言っても色々あるみたいだな。」
「”剣帝”や”漆黒の牙”のように裏切って”結社”の敵になる人達もいるものね。」
ロイドとエオリアは明るい表情で言い
「まあ、だからこそ実態が掴めていない組織なんだけどね。でもあの老人に関しては信用しても問題なさそうだ。」
ワジは溜息を吐いた後静かな笑みを浮かべた。
「そうですね。私達に協力する理由もあるみたいですし。」
「みんな、仲良くできるといい
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ