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英雄伝説〜光と闇の軌跡〜(碧篇)
第112話
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ヴァイスは静かな口調で答えた後全身に覇気を纏って真剣な表情でロイドに尋ね

「―――!!」

ヴァイスの言葉を聞いたロイドは目を見開き

「……あの件は貴方達なりにディーター大統領達の野望を思いとどまらせる意味も込められていたのね………」

エオリアは重々しい様子を纏って呟いた。

「それに俺達とてまさか自国の民や兵達を犠牲にする外道な策を使ってくるとはさすがに予想していなかった。それは俺の……いや、俺達”六銃士”の誇りにかけて嘘ではない事を誓う。そして…………だからこそ俺達はディーター……いや、クロイス家の者達を根絶やしにし、クロスベルを豊かな国に築き上げる。それが犠牲になった者達にできる俺達のせめてもの手向けだ。」

そしてヴァイスはすざましい覇気を纏って決意の表情でロイド達を見つめて言い

「ヴァイスさん…………」

ヴァイスの決意を聞いたティオは複雑そうな表情をし

「……………民の屍を越え、民の為に己の”覇道”を歩み続ける………まさに”覇王”の考えだな………」

ツァイトは重々しい様子を纏って呟いた。

「…………………局長。一つ……いえ、二つだけ約束してください。その約束を守ってくれるのなら、貴方達がクロイス家の者達を滅ぼそうが、クロスベルを支配しようが、その後どんな行動をしようと構いませんし、俺達もクロスベルの為にできるだけ協力します。」

「ほう?てっきり俺達の考えを否定すると思っていたのだがな?」

真剣な表情で自分を見つめて言ったロイドの言葉を聞いたヴァイスは目を丸くし

「………悔しいですけど、ディーター大統領がいなくなり、大混乱に陥っているゼムリア大陸の状況で今のクロスベルを導けるとしたらもはや貴方達しかいない状況です。メンフィル帝国と同等の付き合いをしている貴方達ならメンフィル帝国の言いなりにはならないでしょうし……何より野心があり、今でも市民達の”希望”である貴方達はそんな事は絶対にしない。」

ロイドは疲れた表情で答えた後複雑そうな表情でヴァイスを見つめて言った。

「マクダエル議長に再び市長として返り咲いてもらう事は考えなかったのか?」

ロイドの話を聞いたヴァイスはロイドに尋ね

「…………………マクダエル議長やエリィには本当に申し訳ないですけど………市民の支持もほとんど局長達に集中している今……………マクダエル議長では今のクロスベルを導く事は荷が重すぎるでしょうし………第一ディーター大統領を失脚させた後、市民のほとんどが局長達がクロスベルを導かない事に疑問を抱くと思います………」

「ロイドさん………」

「………………………」

「まあ確かに言い方は悪くなるけど、今まで現状維持しかできなかったマクダエル議長では荷が重すぎるね。」


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