第110話
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ソフィアの言葉にティオは不安そうな表情で答えた。
「そうでしたか……心配ですね。」
「……ハロルドさんたちは異変の時、ちょうど村を訪れていたみたいですね?」
「ええ……最初は何が起こったのやら、皆目見当がつきませんでした。訳もわからないまま街道の移動制限が出されて街にも戻れなくなってしまって。」
「でも、村の方々には本当にお世話になっています。宿の主人は、ほとぼりが冷めるまで滞在していくよう言って下さって……コリンも、村の子供達とすっかり仲良くなったみたいで。」
「カミーユくんやプーリーちゃんがいっぱいあそんでくれるんだよ〜。ワンちゃんも今度一緒に遊ぼうね〜!」
嬉しそうな表情で話すソフィアに続くようにコリンは笑顔で話をしてツァイトを見つめ
「フフ、考えておこう。」
見つめられたツァイトは口元に笑みを浮かべて答えた。
「はは……ありがとうございます。まあ、そういうわけで私も恩返しに村のお手伝いをさせて頂いてるんです。とは言っても、時々訪れる国防軍との交渉やヴァイスハイトさん達との情報の交換を引き受けるくらいなのですが。」
「いえ、この状況下だととても大切な役割かと。ハロルドさんのようなベテランの商人なら、交渉もかなり慣れているでしょうし。」
ハロルドの話を聞いたティオは納得した様子で頷き
「はは、本当に大したことはないんですが。」
ティオの言葉を聞いたハロルドは苦笑していた。
「ロイド君、ヴァイスハイト局長達の居場所を聞かなくていいのかしら?」
その時エオリアがロイドを促し
「っと、そうでした。ハロルドさん、局長達―――”六銃士”達がこの辺りに潜伏しているという話を聞いているのですが、どの辺りに潜伏しているか聞いていませんか?」
促されたロイドは頷いた後真剣な表情でハロルドに尋ねた。
「残念ながら………私の方も知らされていません……ですが、国防軍と交渉している時に気になる話を聞いたんですが……」
「気になる話……?」
「ええ、何でも古道の途中にあるアルモリカ古戦場のあたりで国防軍が抵抗勢力――――”六銃士派”と”闇夜の眷属”の混合部隊に襲撃を何度も仕掛けられ、その度に撤退する状況に陥ったそうです。定期的に巡回しているようですが……成果は上がっていないようですね。」
「アルモリカ古戦場……かつて幾度となく血が流され、教団が本拠地と定めた宿業の地か。あの遺跡には隠れた通路なども多い。ヴァイスハイト達や”六銃士派”、そして”ラギール商会”とやらが身を潜めるには適しているだろうな。」
ハロルドの話を聞いたツァイトは真剣な表情で説明し
「ああ……恐らく局長達はそこにいるんだろう。準備を整えて行ってみるか。」
ツァイトの
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