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魔法少女リリカルなのは -Second Transmigration-
第3話 入院と溝
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すか!?悠里や愛莉さんを放っていたあなたが―――!」

ドゴン!!

次の瞬間、俺は拳を壁に思い切り叩きつけ、道場内に大きな音が鳴り響いた。


「……おいコラ、調子に乗ってんじゃねぇぞ恭也」


低く、唸るような声で琉聖は恭也を睨みつけた。睨まれた恭也は驚愕と恐怖の入り混じった表情をしていた。


「確かに俺は悠里や愛莉を放っていたかもしれない。けどな……家族を放って自分の為に剣を振る奴が仇討ちとか、笑わせんじゃねぇぞ」

確かに俺は2人に寂しい思いをさせた。それは自覚してるし、愛莉の事は悔いている。だが、それと今の恭也は全く別だ。


「お前は家族を理由に自分の行動を正当化してるだけだろうが。……自分の状況もしっかり捉えられない奴には、なに言っても無駄だろうがな」


俺は恭也の反論も聞かずに踵を返して道場を出ようとする。そこで思い出したように「ああ、それと……」と呟きながら恭也を見た。


「……一応言っておくけどな、今のお前は、悠里より弱いぞ」

「は……?」


それを聞いた恭也は唐突に言われた事に困惑を浮かべた。
何を言ってるんだ?、といった感じだったが、これは本当の話だ。今の恭也だと悠里には絶対に勝てない。これは俺が保証する。


「……本気ですか?悠里は今まで基礎しかやってないんですよ?」

「もちろん本気だ。俺はアイツの父親だぞ?……それにだ、お前は知らないだろうが、最近は技も教えてるんだ。しかも、凄い勢いで吸収してるからな」


基本の技は殆どマスターしてきてるしな。我が子ながら本当に末恐ろしい。
俺は恭也に飯の事を伝えて道場を出ると、家へと歩き出した。
その時に思ったのだが、恭也は一度負けた方がいいのかもしれない。今のアイツには犯人の事しか写っていない。けど俺では効果無いしな……


「……って、もしかして俺、悠里に相手が行くようにしちまったか?」


今頃になって、取り返しのつかない事に気付いてしまった。
……悠里になんて言おうか。

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