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銀河英雄伝説〜新たなる潮流(エーリッヒ・ヴァレンシュタイン伝)
第百四十二話 接触
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係に有る」
ヘンスローは通さなかったか。どうやら帝国側からもヘンスローは当てにならないと見られているようだな。いずれ交代させる必要があるだろう。それにしてもルビンスキーとは敵対関係に有る人物が間にたったか。帝国とルビンスキーはかなり険悪な状態にあるということか。
TV電話が鳴った。トリューニヒトが受信し、映像をスクリーンに拡大投影する。スクリーンに初老の人物が表れた。白っぽい頭髪と透明な色素の薄い瞳をしている。
「お初にお目にかかる。帝国高等弁務官、ヨッフェン・フォン・レムシャイド伯爵です」
「自由惑星同盟最高評議会議長、ヨブ・トリューニヒトです」
「財政委員長、ジョアン・レベロです」
「人的資源委員長、ホアン・ルイです」
トリューニヒトが自由惑星同盟と言ったとき僅かにレムシャイド伯の右眉が上がったように見えた。やはり抵抗があるようだ。いっそ反乱軍とでも名乗ってやればよかったか。
「レムシャイド伯、一体何用ですかな。亡命を希望されるのであれば喜んでお迎えしますが」
トリューニヒトの言葉にレムシャイド伯は面白くもなさそうに笑うと答えた。
「今のところはその必要はなさそうですな、トリューニヒト議長。用件に入ってもよろしいかな」
「これは失礼しました、どうぞ」
「十五日、明後日ですが帝国で勅令が発布されます」
「……」
「勅令の内容は税制と政治改革、具体的には、貴族への課税、それと既得特権の廃止となります。それに伴い農奴の廃止と平民の権利の拡大が布告されるでしょう」
「!」
レムシャイド伯の口調はさり気無いものだったが、私は思わずトリューニヒト、ホアンと顔を見合わせた。有り得ない事だ、一体帝国は何を考えている? ホアンとトリューニヒトも表情に驚きが出ている。
「何故、それを教えていただけるのですかな、いやその前に教えていただきたい。私達にそれを伝えるのは伯の個人的な御好意と受け取ってよろしいのですかな?」
ホアンの問いにレムシャイド伯は首を振って答えた。
「違いますな。この件につきましては国務尚書、リヒテンラーデ侯、宇宙艦隊司令長官、ヴァレンシュタイン元帥からの依頼でお伝えしております」
「!」
国務尚書、リヒテンラーデ侯! 宇宙艦隊司令長官、ヴァレンシュタイン元帥! 伯が嘘をついていなければ帝国の文武の重臣達が絡んでいることになる。本気で改革を行なうという事か?
「何故そちらに伝えるかという事ですが、おそらく勅令発布後、帝国内では内乱が起き国を二分する戦いが生じるでしょうな。お互い困ったことになるだろうとオーディンでは考えています」
内乱が起きる、重大事であるのにレムシャイド伯はあっさりと答えた。困っている様子など欠片も無い。むしろそれこそが狙いか、リヒテンラーデ、
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