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銀河英雄伝説〜新たなる潮流(エーリッヒ・ヴァレンシュタイン伝)
第百四十二話 接触
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で、私に何をさせようというのです。ただ説明のためだけにお二人が連絡をしてきたわけでは有りますまい」
元帥がリヒテンラーデ侯に顔を向けると、侯は一つ頷いた。
「レムシャイド伯、自由惑星同盟政府と連絡を取って欲しいのですが」
「反乱軍、いや自由惑星同盟政府とですか?」
「ええ」
「フェザーンには知られること無くでしょうか?」
「ええ、知られる事なくです」
「なるほど」
同盟政府と連絡を取る。フェザーンに知られること無く……。難問と言って良いだろう。
「元帥、通常であれば同盟側の弁務官を通して連絡を取る事が出来ます。しかし、まず間違いなくフェザーンに知られるでしょう」
私の言葉に元帥は頷きながら答えた。
「同盟の弁務官はフェザーンに飼われていますか?」
「そうです。ヘンスローといいますが、フェザーンから、金、女をあてがわれて飼いならされています」
私の言葉にリヒテンラーデ侯が鼻を鳴らして吐き捨てた。
「反乱軍も頼りにならぬ男を弁務官にしたものじゃ。役に立たぬの」
全く同感だ。こういう場合は全く役に立たない。元帥は少し困ったような口調で訪ねてきた。
「では、他に手立てはありませんか?」
「……無くも有りません。フェザーンには反ルビンスキー派と言われる人間がいます。その伝手で同盟政府に連絡を取れるかもしれません」
「なるほど、反ルビンスキー派ですか」
「そうです、いずれ接触する必要があると考えていました。いい機会です、この機に彼らと接触しましょう」
元帥はリヒテンラーデ侯と顔を見合わせ
「そうですね。ではレムシャイド伯、お願いいたします」
と言った。
「分かりました。ところでヴァレンシュタイン元帥、同盟政府には何を伝えるのです? 今回の勅令の件でよろしいのですかな?」
宇宙暦796年10月13日 ハイネセン 最高評議会ビル ジョアン・レベロ
「どうした、トリューニヒト、急に来いなどと」
最高評議会議長の執務室を開け、トリューニヒトに声をかけると、そこにはホアン・ルイがいた。どういうことだ? 何が有った?
「遅いぞ、レベロ。とにかくまずは座ってくれ」
「ああ、ホアン、君も呼ばれたのか」
「うむ。急に来てくれと言われてな」
私と同じか……。妙だ、トリューニヒトが少し興奮しているように見える、何が有った?
「二人とも良く聞いてくれ。もう直ぐ通信が入る、相手はフェザーンにいる帝国の高等弁務官レムシャイド伯だ」
「!」
思わずホアンと顔を見合わせた。彼も驚いている。帝国の弁務官から連絡?
「トリューニヒト、ヘンスローが仲立ちしたのか?」
「いや、ヘンスローではない、フェザーンの有力者が間に立っている。その人物はルビンスキーとは敵対関
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