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英雄伝説〜菫の軌跡〜(閃篇)
第29話
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、最悪は負けてた……」

「それは……」

「ああ………多分そうだろうな。」

「そうなのか……」

(ま、”影の国”での決戦の頃のフィーだったら余裕で勝てたでしょうね。)

フィーの答えを聞いて頷いたリィンの意見を聞いたマキアスは驚きの表情で二人を見つめた。

「……わかった。勝利を受け入れよう。」

「ん……」

「えっと、その……」

「俺達は席を外すか。」

「そうね。」

二人の様子を見たマキアスとリィン、レンはその場から去ろうとしたが

「わたしは別に……ラウラ、いい?」

「ふふ……そうだな。一緒に聞かせてもらおう。」

「……わかった…………」

ラウラとフィーの答えを聞いてその場で、とどまり、フィーは過去を話し始めた。



「―――わたしが前にいたのは”西風の旅団”という所だった……―――気付いた時には”戦場”にいた。どこかの国の、どこかの辺境にある名前も知らない紛争地帯……幾つもの猟兵団がミラ目当てで誰かの欲望を叶える為に戦うその地でわたしは、たったひとりさ迷っていた。



わたしを拾ったのは”猟兵王”……”西風の旅団”という、わりと有名な猟兵団のリーダーだった。飄々としてるけど抜け目なくて、しぶとさとズル賢さと悪運だけは飛びぬけていたオジサン……でも……わたしにとっては育ててくれた親と同じだった。



団員は変わった人ばかりだったけどみんな、わたしを可愛がってくれた。そのうち掃除とか、食事当番とか荷物運びとかを手伝うようになって……空いた時間に、戦場で生き延びる色々な技術を教わるようになっていた。



……幾つかの偶然の結果、わたしは10歳で実戦を経験して……渋る団長をみんなが説得するかたちで、わたしは”西風の旅団”の一員となった。それから数年が過ぎて……わたしは”西風の妖精(シルフィード)”なんて呼ばれるようになっていた。



団のみんなと一緒に大陸のあちこちを回って……辛いことや、危ないこともあったけど生き延びてみんなと一緒にいた。去年―――団長がいなくなるまでは。



”赤い星座”……大陸西部で”西風の旅団”と双璧と言われる猟兵団……団長の”闘神”という人とウチの団長は宿敵同士だった。そして”猟兵王”と”闘神”はとうとう一騎打ちをする事になって。三日三晩死闘を繰り広げたのだけど……三日目の夜、突然二人が一騎打ちしている所に強者との戦いを求めて大陸全土に出没しているという”狂戦士(バーサーカー)”――――バルバトス・ゲーティアが現れて二人に戦いを仕掛けた………一騎打ちを邪魔された二人はまずバルバトスを排除しようと、一時的に協力して戦ったのだけど………三日三晩死闘を繰り広げていた事によって疲労していた二人
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