第29話
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、良い感情は持っていなかった。騎士を”正道”とするならば、猟兵はいわば”邪道”……己の価値観に反しているゆえ心を合わせられないのだと思った。」
「…………………」
ラウラの話を聞いたフィーはラウラから視線を逸らして黙り込んだが
「だが―――それは勘違いだった。」
「え。」
ラウラの答えを聞いて呆けた表情でラウラを見つめた。
「エリオットの話を聞いて私は自分の心に問いかけてみた。気負うことなく、ありのままの自分を見極めようとしてみたのだ。そうすると……ひとつ気付いたことがあった。―――数ヵ月共に過ごして私がそなたを信頼できる人物だととっくの昔に知っていたことを。価値観とは関係なく……”心”がそう判断していたことを。」
「…………ぁ…………」
「だが、私の頭の固さと頑なさがそれを見えなくし続けていた……”心”ではそなたを認めているのに”頭”で合わないと思いこんでいたのだ。おそらくその矛盾こそ、ARCUSで心を合わせられなかった原因だろう。そしてそれはレン。そなたも同じだ。」
「「……………………」」
(……なるほど……君、もしかして気付いてたか?)
ラウラの説明を聞いたフィーとレンは黙り込み、納得した様子で頷いたマキアスはリィンに視線を向けた。
(……今日の手配魔獣との戦いでね。)
「”壁”があると思いこんでいたのは、わたしも同じ……ラウラはいつも真っ直ぐだから。わたしを受け入れられないって心のどこかでちょっと諦めていた。」
「……そうか……」
フィーの答えを聞いたラウラは重々しい様子を纏って呟いた。
「でも、どうして?わたしの過去を知りたいのはなぜ?それを知ることがラウラにとって何の意味があるの?」
「フフ……決まっているだろう。私がそなたを”好き”だからだ。」
真剣な表情のフィーの問いかけに対し、ラウラは静かな笑みを浮かべて答え
「な、なにを……」
ラウラの答えを聞いたフィーは戸惑った。
「以前、リィンに絡んでしまった時もそうだったが……どうも私は、見込んだ相手や気に入ってしまった相手のことは理解できないと気がすまないらしい。そなたの過去―――そなたが”そう在る”経緯の一端を知りたい。だからこれは、ただのわがままだ。それ以上でも、それ以下でもない。」
「……………………」
ラウラの説明を聞いたフィーは何も答えず黙り込み
(な、なんというか……)
(………さすがラウラと言わざるを得ないな……)
(クスクス、ある意味エステルと似ているわね♪)
マキアスとリィンは苦笑しながら、レンはからかいの表情で二人の様子を見守っていた。
「やっぱりラウラは凄いな。―――いいよ、教え
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