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英雄伝説〜菫の軌跡〜(閃篇)
第29話
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ットならぎりぎりセーフかもしれないな。」

「うーん、リィンにだけは言われたくない気もするけど。あ……でも一つだけ後悔してることはあるかな?」

「え……」

「それは一体……?」

リィンに指摘して呟いたエリオットの言葉が気になったフィーは呆け、ラウラは尋ね

「その、友達が参加する夏至祭のコンサートだけど……ずっと前に、母さんが演奏して姉さんが5年前に参加してるんだ。えへへ、だからそればっかりは出たくて仕方なかったんだよねぇ。」

ラウラの疑問にエリオットは恥ずかしそうに笑いながら答えた。



―――その後、エリオットは久々の実家に泊まる事になり……リィン達6人は、宿泊所となっている旧ギルド支部に戻ることとなった。



〜アルト通り〜



「ふう……もう9時過ぎか。すっかりお邪魔してしまったな。」

「ああ、食後のコーヒーまでご馳走になっちゃったし。明日の朝食も誘ってくれたし、フィオナさんには感謝しないと。」

「ああ、いずれ後からでもお礼をした方がいいだろう。それにしても……住んでいた時は実感しなかったが。実習課題をこなしていくと帝都の巨大さが思い知らされるな。」

一日中の出来事を思い出したマキアスは疲れた表情で呟いた。

「はは、そんなものかもしれないな。明日の課題は、宿泊所の郵便受けに届けてくれるんだよな?」

「ああ、朝一番に届けてくれるらしい。父さんの事だから抜かりはないだろうが中身については心配だな。僕達の処理能力を絶妙に上回る無茶振りをしてきそうというか……」

「はは、確かに。そうなると、今夜はレポートを書いたら早めに休んだ方がいいかもしれないな。」

「賛成。この調子だと明日はもっといろんな依頼が来ると思うし。」

「そうだな……って、ラウラ、フィー?」

マキアスとレンの意見に頷いたリィンは先程からずっと黙り込んでいるラウラとフィーに気付いた。



「なんだ君達。ひょっとして疲れたのか?」

「ああ、いや……」

「……そうじゃないけど。」

マキアスに尋ねられた二人はそれぞれ否定したが、やがてラウラが口を開いた。

「……エリオットの話を聞いてようやく己の心の見極めがついた。―――フィー、レン。私と勝負してもらおう。」

「へ。」

「……!」

ラウラの申し出を聞いたリィンとマキアスはそれぞれ驚き

「レンはいつでもオッケーよ♪」

「―――いいよ。今日中がいいよね?」

レンとフィーは一切動揺していない様子で頷いた。



「うむ、そうしない限り今夜は眠れないだろうからな。」

「うふふ、ちなみにラウラお姉さんはどっちを先に相手するのかしら?」

「まずはフィーか
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