第十話 またしての崩御その五
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「叔父上があの国に入られてのお子だ」
「ですね、男系です」
「男系は女系に勝ります」
旧教、新教に共にある考えだ。基の宗教自体が男尊の宗教でありどうしてもそちが優位と考えられるのだ。
「それではですね」
「前王の姉君ですが」
「王子の方が血が強いとも考えられます」
「そのこともあり」
「王子は王位継承権第二位だ」
マリーに次いでというのだ。
「そうしよう」
「わかりました、では」
「その様にしてですね」
「王位継承も定める」
「そうしますか」
「是非な、では葬儀と即位だ」
政治として行うという言葉だった。
「その用意に入ろう」
「これより」
「そうしましょう」
側近達も応える、こうしてだった。
大公は王の葬儀そして自身の即位に用意に入った、王の崩御は程なくしてまずは王宮にいる者達に伝えられた。
マリーは弟である王の崩御に涙した、だが。
それでもだ、顔を上げて言うのだった。
「泣いていてもです」
「はい、お言葉ですか」
「お気持ちはわかりますが」
ロドネイ公とグラッドソン大司教が言う、デューダー卿とキャスリング卿もいてセーラとマリアも彼女の傍にいる。
「ここはです」
「悲しみを堪えて下さい」
「そしてです」
「国の為に立っていて下さい」
「そうですね」
目を赤くしつつもだ、マリーは顔を上げた。そのうえで彼女の側近達とこれまで常に共にいた二人の友に言った。
「私が泣いてばかりではいけません」
「それでは王も悲しまれます」
「安らかに眠れません」
デューダー卿とキャスリング卿もマリーに言う。
「王の為にもです」
「毅然とされて下さい」
「はい、それでは」
確かな声でだ、マリーは応えてだった。
立ち上がり姿勢を正した、その彼女に続いてだ。
セーラとマリア、これまでマリーと同じく王の崩御を聞いて悲しみに沈んでいた二人もだ。顔を上げてだった。
マリーと同じ様に立ち上がった、その二人にだ。
デューダー卿が見事に切り揃えた黒髭、青くすら見えるその見事な髭をたたえた顔で畏まってだった。こう言った。
「セーラ様はです」
「はい、半島にですね」
「間もなく嫁がれます」
「そうなりますね」
「王が崩御されましたが」
それでもというのだ。
「そう動いています」
「外交としてですね」
「そうです、そして」
デューダー卿はマリアにも言った。
「マリア様はです」
「はい、私もですね」
マリアは何とか毅然とした態度に自身をもっていきつつデューダー卿に応えた。
「あの島に行くのですね」
「太子、次の王の妃として」
そうなるというのだ。
「まさに」
「そうですね」
「ですから」
「その用意もですね」
「進めています」
セー
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