第十話 またしての崩御その二
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「我々は進んでいこう」
「ですね、では」
「葬儀と即位」
「その用意に入りましょう」
「双方の」
「ではな、しかしそれとだ」
大公はこうも言った。
「もう一つ決めることがある」
「王位継承ですね」
「それもですね」
「そうだ」
まさにという返事だった。
「それもあらためて決めよう」
「順位をですね」
「それを」
「それを決める」
まさにという返事だった。
「同時にな」
「ではそのことは」
「即位の後で」
「既に決めているからな」
こう側近達に言った。
「それを言うだけだ」
「では、ですね」
「まずはマリー様」
「そして次は王子」
北の国のだ。
「ご息女のマリア様、セーラ様」
「そしてマイラ様ですね」
「そうなる」
側近達が今言った順位通りだというのだ。
「まさにな」
「ですか、では」
「その様に発表されますね」
「即位の後で」
「そう定めると」
「そのつもりだ、だが」
王位継承の順序を定めてもとだ、ここで。
大公は難しい顔でだ、側近達にこうも言った。
「これはあくまでだ」
「大公が定めるだけで」
「絶対ではない」
「そうですね」
「そういうことだ、王位継承権は時としてあってないが如しになる」
そうしたものだというのだ。
「一位でもなれるかどうか」
「それは、ですね」
「わかりませんね」
「すぐに変わりますね」
「それも力次第で」
「どの国でもそうだ」
勿論この国もというのだ。
「これだけ順位を定めても絶対でないものもない」
「力によって変わる」
「変えることが出来ますね」
「それは何とでもなる」
「力次第で」
「武力や強い後ろ盾があればだ」
ある王位継承権の持ち主がそういったものを持っていればというのだ。大公はそうした政治のことをさらに言った。
「それで変わる」
「幾らでもですね」
「それは変わりますね」
「ではマリー様を第一にされても」
「それでも」
「兵権があれば違う」
軍隊、それを持っていればというのだ。
「この国の軍は私が掌握しているが」
「今は国家の軍にしていっていますが」
「王家の軍に」
「まだ諸侯が多くの兵を持っていますね」
「今尚」
「王女にも兵が必要だ」
即ち軍がというのだ。
「それでかなり違う」
「マリー様は宮中で人望があり、です」
「新教の聖職者、諸侯からの支持があります」
「商工業者、農民からも」
「しかしですね」
「それだけでは不十分だ」
彼等の支持だけではというのだ。
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