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DQ3 そして現実へ…〜もう一人の転生者(別視点)
一つの章が終わり、次なる章が始まる…その中間。
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うとしてるだけよ!」
ここで暗い顔をしてもモチベーションが下がる一方だし、空元気でも出した方が良いよね。
「そ、そうじゃよ!リュカ殿や勇者アルル殿が居るのだ…必ずやバラモスと同様に倒してくれようぞ!」
リュカ教の狂信者であるサマンオサ王が希望的観測でものを言う。
「そうよ。リュカは英雄なのよ!我が国でも…異世界でも…そしてこの世界の各所でも!絶望なんてしてられませんわ!直ぐに世界を平和にしてくれるのだから。私達は、自国の平和維持に尽力しましょう!」
抱いてる娘さんの父親の虜も同意する。
「うん。世界はまだ平和になってないし、祝賀会はまた今度と言う事で…今日は一旦家に帰り、一休みをしようよ。アレフガルドへ行くのは、後日にしてさ!」
“英雄”と呼ばれ顔を顰めるお父さんは、この場から逃げる為立ち去ろうと画策する。
「リュカよ、ちょっと待ちなさい!」
しかし、そうは問屋が卸さぬとロマリア王が英雄殿を呼び止めた。
「あ゛?あんだよ…もう帰らせろよ!」
相手の身分に拘わらず、この態度は大人としてどうなのだろうか?
心底嫌そうな声で返事するお父さん。
「そ、そう嫌そうな顔をするなよ…」
「『嫌そう』じゃなく、嫌なんだよ!どうせ面倒事だろ、僕を呼び付ける時は、大抵そうなんだ!………で、何?」
大人の悪い見本だ。
「ま、まぁ…面倒事ではあるのだが…先日、お前が近衛騎士隊を打ちのめしてくれた所為で、綱紀粛正を行う事が出来たんじゃ!本来は、副隊長だったラングストンに、時間をかけて行わせる予定だったのだが、思いの外早く終わったので、我が国からも達人を派遣しようと思うてな」
ロマリア王様は近衛副隊長のラングストンを付き出し、自慢気に語る。
「ほれ…我が国の近衛騎士副隊長を派遣するぞ!この男はお前程ではないが、かなりの達人じゃ!有望な戦力になるはず…」
近衛副隊長のングストン…
お父さんと対等に張り合える厄介な性格の持ち主…
彼はお父さんの前で美しいまでの敬礼をする。
対するお父さんは、さっきよりも酷い顰め面で答える。
「やっぱ面倒事じゃん!部下を一新出来たから、扱いづらいコイツを追い出したくなったんだろ?それを僕等に押し付けるんだろ!…それともアレか!綱紀粛正が早く終わってしまって、楽しみを奪われた腹いせか!?」
面と向かって“扱いづらい厄介者”と言われるラングストン…
「流石リュカ殿は聡明ですね!正にその通りでございます。ではでは、これからよろしくお願いします…って事で!」
でも分かってないのか…感じないのか、判断付かないが嬉しそうに我がパーティーに合流する…
うん。これは面白くなってきたわ。
でも“ラングストン”って長いわよね…
よし、私は彼を“ラン君”と呼ぼう!
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