10話目 目標
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激しいポケモンバトルを繰り広げたグレイとエレナは、ポケモンセンターでポケモンの体力を回復させた後、同施設内の休憩所で先ほどのバトルを振り返っていた。
「それにしても、エレナが2回も自分のポケモンに泣きながら抱きつくとは驚いた。バトルになると人が変わるんだな。勝ったポケモンにはいつもやってんのか?」
「や、やってないわよ! 泣きながら抱きついたコトなんて、さっきが初めてよ……ああ、思い出したら恥ずかしいわね……」
「いやいや、エレナに抱かれながら静かに眠りにつくアブソル……なかなか感動的な場面だったぜ」
「死んだみたいに言わないでよね……気絶しただけなんだから。はあ……あんなにバトルで感情的になったのは初めてよ」
「街中でバトルしなくて正解だったな。目撃者はオレだけだ」
「そもそも街中であんな激しいバトルできないでしょう。物損の弁償代でいくらかかることやら……」
ふぅ……と息をつき、エレナは別の話題を口にする。
「ところでグレイ、ジムバッジを集めてみる気はないの?」
ジムバッジ。それはポケモントレーナーの実力を証明するものである。
ジムバッジを手に入れるためには、ジムリーダーと呼ばれるトレーナーにバトルで勝利する必要がある。
このトラベル地方には8人のジムリーダーがいるため、全部で8個のジムバッジが存在する。8個全てのジムバッジを手に入れた者は、名実ともに一流のトレーナーとなれるのである。
「ジムバッジ? 何で?」
「アナタそんなに強いのだから、ジムリーダーにも勝てるんじゃない? 挑戦してみたらどう?」
エレナに提案されるものの、グレイは特に興味を示さない。
「オレは一流のトレーナーを目指している訳じゃないし……そもそもジムリーダーに勝つの無理だろ。ジムリーダーって滅茶苦茶強いんだろ?」
「あら、知らないの? ジムリーダーは挑戦者のバッジの所持数によって、使ってくるポケモンが違うのよ?」
「初心者相手なら手加減してくれるって事か?」
「そうよ」
グレイは少し考えるが、
「でも、持ってるバッジが増えると、だんだん相手も本気を出してくるんだろ? 最初の1個ぐらいは手に入るかもしれないけど、1個だけ持っててもしょうがねえだろ?」
「アナタ、ジムバッジについて本当に何も知らないのね。ジムバッジを持っていると、ポケモンに関する品物を扱う店で、商品が割引価格で買えるのよ」
「なにぃ!?」
金が絡む話になり、グレイは手の平を返してエレナの話題に食いつく。
「もちろんポケモンの食べ物もその対象よ。ジムバッジを持っているだけで、食費代もいくらか浮くんじゃないかしら?」
「……何割引きだ?」
「ジムバッジ1個につき10%引きよ」
「1個持ってるだけで10パー!? じゃあ全部集めたら……」
「80%引き」
「
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