暁 〜小説投稿サイト〜
トラベル・ポケモン世界
9話目 好敵手(後)
[8/11]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
早く離れた。
「後ろ! 外! 前! 今よ“でんこうせっか”! 後ろ! 内!」
 次々に攻撃を繰り出すギャラドスに対し、エレナはアブソルに避ける方向や攻撃のタイミングを逐一指示する。
 並列した2体のアブソルは、まるで実像と鏡に映る虚像のように全く左右対称な動きでギャラドスの攻撃を避けながら攻撃する。
 唯一鏡と異なるのは、アブソルの片側だけ生えた角の位置だけは左右逆になっていない事くらいである。
(本物偽物以前に! そもそも攻撃が当たらねーじゃん!)
 ギャラドスは攻撃しようとするがアブソルに避けられ、攻撃でできた隙を“でんこうせっか”で突かれてしまう。
「落ち着けKK! 一旦攻撃やめろ!」
 グレイが指示するがギャラドスは無視し、アブソルへの考えなしの攻撃を続ける。
「相手を殴る方法! 教えてやるから攻撃をやめろKK!!」
 グレイが怒鳴るとギャラドスは攻撃の手を止めた。『殴る方法』という言葉に反応したのだろうか。
「こっちから先に殴ろうとしても、避けられて隙を突かれるだけだろ! まずは相手が近づくのを待て!」
 ギャラドスはグレイの言葉を参考にしてその場に佇んだ。
「アブソル“かみつく”!」
 エレナが指示すると、2体のアブソルが同時にギャラドスに迫った。
 迫るアブソルのタイミングを見計らい、ギャラドスは攻撃しようとするが……
「内! そして“でんこうせっか”」
 ギャラドスの攻撃はアブソルに横に避けられて失敗し、そのまま隙を突かれアブソルに攻撃されてしまう。
(マジかい……)
 打つ手なし。グレイは困り果てた。
「もう……あれだ……まずは黙って相手に殴られろ! その後で殴り返せばいいんじゃないか?」
 もはや指示というよりアドバイスになっているグレイの言葉だが、ギャラドスは納得したらしい。
「あら、自由に攻撃させてくれるの? なら遠慮なく……アブソル“かみつく”!」
 アブソルの“かみつく”が命中した。ギャラドスは、急いで自分から距離をとるアブソルを素早く追い、攻撃をくらわせた。アブソルはギャラドスの攻撃で強く吹っ飛んだ。
 ギャラドスは追撃するが、
「アブソル“かげぶんしん” フォームはBのミラー。そのあと“かみつく”」
 アブソルは再び分身し、エレナの的確な回避指示を正確に実行することでギャラドスの攻撃を避けながら、自分の攻撃を加えていく。
「落ち着けKK!」
 グレイの言葉で、ギャラドスは再びその場で佇む。
 すると先ほどと同じく、アブソルが“かみつく”攻撃をしてくる。相手の攻撃が命中し、ギャラドスはアブソルを素早く追って攻撃した。しかし今度は、攻撃したアブソルは偽物だったらしく跡形なく消えた。
 その様子を見ているグレイは、自分の不利が覆っていないと実感する。
(相手に与えるダメー
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ