暁 〜小説投稿サイト〜
トラベル・ポケモン世界
9話目 好敵手(後)
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嫌そうな顔をしたが、グレイの指示に従った。相手のアブソルがギャラドスを囲い込もうと移動している隙に、ギャラドスは上空に移動した。
 上空に移動したギャラドスは“りゅうのいかり”で地上のアブソルを攻撃する。アブソルはエレナの的確な回避指示により“りゅうのいかり”を避けていくが、影分身の偽物に攻撃が当たり、偽物は消滅した。
「アブソル“かげぶんしん”」
 エレナは新たに“かげぶんしん”を指示した。しかし攻撃を指示する素振りはない。
 ギャラドスは上空から“りゅうのいかり”を撃ち続け、アブソルの偽物を破壊した。
 するとエレナは再びアブソルに“かげぶんしん”を命じる。
 エレナはアブソルに攻撃命令を出すことなく、偽物が消える度に“かげぶんしん”を命じ、後はひたすら回避に徹する。エレナの的確な回避指示を完璧に実行するアブソルは“りゅうのいかり”を本物側に一切被弾させることなく回避し続けている。
(エレナの指示内容と、アブソルの動きをよく見れば、どちらが本物か分かるんじゃないか?)
 と思ったグレイは、相手のアブソルの動きに注目しようとするが、自分にそんな悠長なことをしている時間がないことに気がつく。
(ああ……なるほど、やべえなこれ……)
 ギャラドスがアブソルに一方的に攻撃している状況は、傍目から見ればギャラドスが優勢のように見えるが、グレイはこの状況のマズさに気がついた。おそらく相手も意図してやっているのだろう。
 グレイは恐る恐るギャラドスと視線を合わせる。案の定、グレイの予想通り、ギャラドスはグレイに殺気立った視線をよこした。『いつまでやらせんだ! 早く殴らせろ!』と言いたげな目であった。
(全くその通りだエレナ……そう、KK相手に自分から攻める必要なんて全くないんだよ……待ちに徹していれば、そのうちコッチが痺れを切らすんだからな……)
 グレイは、上空から威力の低い技をちまちま撃ち続ける作業に飽きたギャラドスが勝手に相手に突っ込むのも時間の問題だと判断し、ならば命令を無視されて動かれるよりは自分の指示で動かす方が良いと思い、指示する。
「KK! 突撃!」
 その言葉を言い放った次の瞬間、ロケットスタートをきったギャラドスが2体いるように見える相手のアブソルの片方に向かって突っ込む。
「避けてアブソル! 後ろ!」
 上空から迫るギャラドスをアブソルは後ろに避けた。この動きが偽物のフェイクの為なのか、本物がダメージを受けない為なのか、グレイには判断できない。
「アブソル! フォームB・ミラー」
 エレナが指示すると、2体のアブソルはお互い並列になるように移動した。並列に立つアブソルの片方にギャラドスが攻撃しようとすると、
「避けて! 後ろ!」
 2体のアブソルはまるで鏡のようにぴったりと同じような動きでギャラドスから素
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