9話目 好敵手(後)
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らわし、爪や角や尻尾を使い、まるで舞うように次々とギャラドスにダメージを与える。
対するギャラドスも、再びアブソルに巻きつき、締め上げる。
アブソルも抵抗してギャラドスをあらゆる手段で切り裂く。
ギャラドスはアブソルを締め上げたまま、近くの大木にアブソルを叩きつけようとする。
「木を斬って!」
エレナの指示により、アブソルは大木に叩きつけられる寸前に大木を角で切り裂く。アブソルは大木に叩きつけられたが、切り裂かれた大木はアブソルに大きな衝撃を与えることなく、根本を残して倒れただけであった。
今度ギャラドスはアブソルの角に噛みつき、岩に全力で叩きつける。角を抑えられているアブソルは、顔面から勢いよく岩に叩きつけられた。
「アブソル! 角で攻撃して! 頑張って!」
顔面を岩に思いっきりぶつけられること数回、アブソルは刃の形の角を抑えているギャラドスの牙を振り払い、ギャラドスの顔に角を突き刺した。
「今! 脱出してアブソル!」
ギャラドスが一瞬怯んだ隙にアブソルはギャラドスの締め上げから脱出する。
「アブソル! 全力攻撃!」
アブソルは爪や角や尻尾を使い、まるで舞うようにギャラドスに攻撃する。
ギャラドスはアブソルの尻尾を牙で捕え、投げ飛ばす。
アブソルが投げ飛ばされたことで、両者の距離が開いた。
両者が戦いを繰り広げた場所は、花は全て散り、岩は砕け、木は折れたり切られたりしていた。
激しい肉弾戦によって、ギャラドスもアブソルも大きなダメージを受けていた。お互いに息を整えており、しばらく静かな時が流れた。
そうして睨み合う両者を見ながら、グレイは思う。
(思ったより良い展開だな)
激しい肉弾戦になれば、有利なのはギャラドスの側である。肉弾戦になればギャラドスはグレイの指示など必要とせずに十二分に戦える。対してアブソルは、エレナの指示なしで十分にギャラドス相手に戦えているとは言えない。
(相手のアブソルも肉弾戦が相当強いことは間違いないが、相手が悪かったな……それに、あのアブソルの一番の脅威は、エレナの考えた綿密な戦略と指示を確実に実行してくることだ。激しい肉弾戦になれば、その強みを十分に生かせないだろ)
激しい肉弾戦を展開したおかげで、エレナの戦略はうやむやになってアブソルに大きなダメージを与えることが出来たのである。
睨み合っていた両者だが、突然ギャラドスがアブソルに向かって飛び出した。
「アブソル“かげぶんしん” フォームA!」
迫りくるギャラドスに対して、アブソルは2体に分身してお互い反対の方向からギャラドスを囲い込もうとする。
「KK! 上空に移動して“りゅうのいかり”」
グレイは再び上空から遠距離攻撃を撃ちまくって影分身を消す戦法を指示した。ギャラドスはやはり一瞬
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