9話目 好敵手(後)
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続けてエレナは言う。
「確かにアナタのギャラドス、とんでもなく強いってことは分かるわ。でもアタシのアブソルも負けないくらい強いの。ダメージを受けているアナタのギャラドスが、何の考えも無しに突っ込んできても勝てないと思うわ」
「忠告どうも。でもな、出会ってまだ3週間だが、このギャラドスを世界で一番良く知っているのはオレだ。オレはオレのやり方で、こいつの強さを引き出す」
「そうね、アナタのギャラドスを一番よく知っているのはアナタだものね。余計なお世話だったわね」
エレナは言い終わると、最後のポケモン、アブソルを繰り出した。
顔の横の片方側だけ鋭い鎌の形をした角が生えていて、尻尾も鋭い刃の形をしている、白い体毛に覆われた四足獣のポケモンのアブソルが再び現れる。
「アブソル“かげぶんしん” フォームA!」
アブソルは2体に分身し、お互い正反対の方向からギャラドスを囲い込む。この様子にギャラドスはどちらを攻撃すべきか一瞬判断に迷う。
「KK! 片方に“りゅうのいかり”! 片方に突撃!」
グレイの指示にギャラドスは『頭いいなお前』と言いたげな視線を送り、グレイの指示を実行に移す。
ギャラドスは右に回り込んだアブソルに突撃しつつ、左に回りこんだ方に“りゅうのいかり”を放つ。
「跳んでアブソル! “でんこうせっか”」
左のアブソルは“りゅうのいかり”をジャンプして避ける。標的を外した“りゅうのいかり”は地面にぶつかった。
(左が避けた! 左が本物か!)
そう思ったグレイは左のアブソルを指して「本物はあっちだ」とギャラドスに指示する。
同時に迫りくる2体のアブソルの内、ギャラドスは左のアブソルに攻撃した。しかし右のアブソルがギャラドスに“でんこうせっか”を決め、あっという間に距離をとった。ギャラドスが攻撃した左のアブソルは消え失せた。
(影分身のくせに避けたりできるのかよ!?)
驚くグレイに、ギャラドスは『違うじゃねーか』と言いたげな目で見てくる。
(こりゃ本物か偽物かを判別するのは諦めたほうがいいな)
「アブソル“かげぶんしん” フォームA!」
アブソルは再び2体に分身し、お互い正反対の方向からギャラドスを囲い込んだ。対してギャラドスは中心に位置したまま動かない。相手の攻撃を受けてから反撃するつもりだとグレイには分かった。
(やるしかねえ!)
グレイはある決心をして、ギャラドスに指示する。
「KK! 上空に移動しろ!」
このバトル初めての回避の指示である。
ギャラドスは不満気な様子を見せるが、これまで好き勝手に暴れさせていたおかげか、グレイの指示に素直に従った。
「KK! “りゅうのいかり”」
グレイは、上空から遠距離攻撃を撃ちまくって影分身を消す戦法をとった。殴り合いを好むギャラドスが
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