9話目 好敵手(後)
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ャラドスの牙に止められる。そのままギャラドスは草の剣を噛み砕いた。
「っ! 銃で攻撃!!」
剣を失ったジュプトルは、銃でギャラドスを退けようとするが、“タネマシンガン”の被弾に構わずギャラドスはジュプトルに突っ込み、吹っ飛ばした。
ジュプトルは戦闘不能となり、倒れた。
ギャラドスの勝利である。
エレナは倒れたジュプトルをねぎらっている。そんなエレナを見ながら、グレイは心の中で本音をこぼす。
(相手は弱っていた訳だから、KKには無暗に突っ込むずに相手の隙を見て倒して欲しかった。戦い方を工夫すれば、ダメージを受けないで倒せただろうに……)
しかし、先ほどはグレイはあえて自分の意見を飲み込み、ギャラドスのやりたいようにさせた。
グレイのギャラドスは戦闘狂である。日々強敵を求め、暴れることを好む。自分の欲望に極めて忠実で、暴れるためならばトレーナーであるグレイの指示を無視することもある。
そんなギャラドスを従えるためには、どうすればいいのか? その問いに対し、グレイは1つの答えにたどり着いた。
それは、利害の一致である。
ギャラドスを都合良く使うために、ギャラドスに都合良く使われる。
ギャラドスに要求を飲ませるために、ギャラドスの要求を飲む。
そして、重要な場面でギャラドスに指示を通すために、あまり重要でない場面ではギャラドスに好きなようにさせる。
これがグレイなりのギャラドスとの接し方であった。
(できればビビヨンのように、心を通わせて信頼関係の上に成り立つ絆を結びたいものだが……)
そう思い、そして、ふとグレイは考えた。もしエレナがこのギャラドスのトレーナーならば、どう従わせるのだろうか? と。
エレナはチルットを繰り出した。空色の丸い体と、雲のような綿のような翼をもつ鳥のようなポケモンが現れる。
ギャラドスとチルット、本日2回目の対峙である。
「チルット“みだれづき”」
先ほどのギャラドスとの小競り合いで“みだれづき”が不発に終わった反省からか、エレナはチルットを出すなり、すぐさま指示した。
「KK! 攻撃!」
グレイは迫りくるチルットに対し、避けるよう指示することもできたが、殴り合うことを選んだ。ギャラドスが喜びそうな指示を優先した結果である。攻撃方法を指定しないのも、ギャラドスの好きなようにさせるためである。
チルットの“みだれづき”の連撃によってギャラドスの体力が削られていくが、お構いなしにギャラドスはチルットに“かみつく”を当て、そのまま地面に勢いよく叩きつけた。
なおも“みだれづき”を当てようとするチルットに対し、ギャラドスはチルットの雲のようなフワフワな羽に噛みついてそのまま振り回し、地面や大木に何度も叩きつける。
チルットが叩きつけられる度に、地面に
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