9話目 好敵手(後)
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(まさかビビヨンが相手を1体も倒せないでやられるとは……)
グレイはビビヨンが倒された事に唖然としていた。
グレイとビビヨンは、いつもと同じように心が通じ合っていた。それに加え、全力を出せていた。そうグレイには思えた。
(オレが大雑把な指示をしても、意図を察した動きをしてくれた。切り札の“ちょうおんぱ”を隠すために、オレが焦ったフリをした時もオレに合わせてくれた。全力で戦えていた。なのに……負けた)
グレイはふと目の前を見る。エレナとジュプトルが抱き合って喜んでいるのが目に入った。
(まだバトルが終わってないのに、あそこまで喜べるとは……向こうは向こうで、オレが知らないドラマがあったんだろうな……それにしても、普段のエレナからは想像できないような喜びようだが)
グレイはこのバトルの経過を振り返る。
チョロネコは最後に頑張りを見せたが、結果的には相手にダメージを与える事なく敗れた。
グレイと心が通い合あうビビヨンは全力で戦い、惜しい所までいったものの結果的には敗れた。
(このままでは終われないな……)
グレイはとても強く『絶対に負けたくない』と思った。今までのバトルで、これほどに強く負けたくないと思ったことは無かった。本気で戦っているからだろうか? もしそうならば、グレイは今まで勝つために本気でバトルをした経験が無いという事になる。そうなのかも知れない。
(相手はまだ3体も残っている……だがKKなら、残り3体を倒せるかもしれない)
グレイのギャラドスは普段は戦闘狂で困った奴だが、負けたくない戦いではこんなにも頼りになるのかと、グレイは新たな発見をした。
「ゴメンなさい……恥ずかしいところを見せてしまったわ……」
「いいよ別に。このバトルで最後に喜ぶのはオレだから」
(さすがに……KKに泣きながら抱きついたりはしないがな!)
とグレイは思った。
「もう落ち着いたから。バトルを再開してもらって結構よ」
「じゃあ、いくぜ」
グレイはモンスターボールからギャラドスを出した。
長い胴体をもつ青い龍のようなポケモンが現れる。
突然の凶悪ポケモンの登場に驚き、相手のジュプトルは力が抜けて攻撃力が下がった。これはギャラドスの特性いかく、の効果によるものである。
「じゃあKK、弱ってる相手で悪いが……止めを刺してくれ」
グレイの指示に、『まってたぜ!』と言わんばかりにギャラドスが飛び出す。
「ジュプトル! 銃!」
対してジュプトルは、圧倒的な威力の“タネマシンガン”を連射する。
しかし、ギャラドスは相手の連射を気にせずに突っ込む。威力の高い銃撃をいくつか浴びるが、ギャラドスの勢いは止まらない。
「ジュプトル! 剣!」
急接近してきたギャラドスに対し、ジュプトルは右手の草の剣を振るうが、ギ
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