8話目 好敵手(前)
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れる。
突然に現れたギャラドスに驚いたチルットは、“つつく”攻撃を全力では決められなかった。これは、場に出ただけで相手を威嚇して攻撃力を下げる、ギャラドスの特性いかく、によるものである。
「KK“かみつく”」
「チルット“みだれづき”」
ギャラドスの攻撃技“かみつく”がチルットの体をとらえる。チルットも負けじと“みだれづき”による連撃を放とうとするが、それより前にギャラドスの尻尾で地面に叩きつけられる。チルットが叩きつけられた場所を中心に地面に亀裂が入った。
さらにギャラドスは全体重でチルットを押しつぶし始めた。
「チルット! “うたう”」
「!! KK、吹っ飛ばせ!」
エレナは、相手を眠らせる技“うたう”を指示する。
眠ってしまっては困ると思ったグレイは、ギャラドスにチルットを吹っ飛ばすように指示した。
ギャラドスは素早くチルットを持ち上げ、頭突きをかます。相手のチルットが“うたう”を発動した時には既に遠くへ吹っ飛ばされていた。
「戻ってチルット。頼んだわジュプトル」
両者の距離が離れた隙に、エレナはポケモンを入れ替えた。チルットに代わり、ジュプトルが現れた。
ジュプトル、もりトカゲポケモン。草タイプのポケモンで、二足歩行するヤモリのような緑色のポケモンである。以前エレナが使ってきたキモリの進化後のポケモンである。
「ジュプトルか。ならこっちも」
そう言い、グレイもポケモンを入れ替え、ギャラドスに代わり再びビビヨンを出した。
モンスターボールに戻される直前に、ギャラドスが不満気な視線をグレイによこしたので、ギャラドスが入ったモンスターボールに向かってグレイは言う。
「悪いなKK。だが、お前も戦闘狂なら分かるだろ? 因縁ってやつがあるんだよ」
グレイのビビヨンと、エレナのジュプトルが対峙する。
以前グレイとエレナが戦った時と同じ構図である。もっとも、かつてのエレナのキモリは、今はジュプトルに進化しているが。
「もしかして、最初にバトルした時のリベンジをさせてもらえるのかしら?」
とエレナがグレイに声をかけてきた。
「リベンジなんか、させる気ねえけどな」
グレイはそう言葉を返した。
********
エレナは、自分のジュプトルに対して、グレイがビビヨンを出してきたのを嬉しく思った。グレイと初めてバトルして負けた時から、エレナとキモリ――今は進化してジュプトルだが――にとってグレイのビビヨンは超えるべき壁の1つとなった。
(あの時とは違うってとこ、見せてあげましょう! ジュプトル!)
エレナはそう強く思った。
両者ともトレーナーからの指示は出ておらず、お互い睨みあっている。この時間に、エレナは思考する。
(前回ビビヨンが使ってきた技は、“むしのていこう”“いとをは
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