暁 〜小説投稿サイト〜
トラベル・ポケモン世界
8話目 好敵手(前)
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同時に4つまでしか覚えられない。そのため、成長して新しい技を使えるようになった時、古い技を1つ忘れさせる必要がある。
 それらの理由で、このビビヨンは以前エレナと戦った時とは使える技が異なる。
(虫タイプの攻撃技は、悪タイプには効果抜群。頼むぜ)
 そう思いながら、グレイは指示を出す。
「ビビヨン“むしのていこう”」
 遠距離にも届く虫タイプの特殊攻撃技“むしのていこう”が、相手のアブソルに迫る。
「アブソル戻って。頼むわチルット!」
 しかしエレナは、アブソルで戦うことはせずに、場に出ているポケモンを入れ替えた。アブソルが今までいた場所に、新たにチルットが現れる。
 チルット、わたどりポケモン。ノーマルタイプかつ飛行タイプのポケモンである。空色の丸い体と、雲のような綿のような翼をもつ鳥のようなポケモンである。
 バトルの最中に、場のポケモンを入れ替えることはルールで認められている。しかし、入れ替えて新たに出てきたポケモンは無防備な状態となり、相手に好き放題されてしまうというデメリットもある。
 “むしのていこう”が、アブソルの代わりにチルットに直撃するが、チルットにあまりダメージはない。虫タイプの技は、飛行タイプのチルットには効果がいまひとつ、だからである。
「ビビヨン“サイケこうせん”」
 グレイはビビヨンに、エスパータイプの特殊攻撃技“サイケこうせん”を命じる。
「チルット避けて! 旋回して!」
 チルットは、ビビヨンの周りを旋回して、ビビヨンが放つエスパーの光線を避けていく。
「今! チルット“つつく”」
 エレナは、ビビヨンが放つ光線の隙を見破り、飛行タイプの攻撃技“つつく”を指示する。技を決めるためにチルットが突っ込んでくる。
「ビビヨン“しびれごな”」
「チルット“しんぴのまもり”」
 近づいてくるチルットに対して、相手を麻痺させる技“しびれごな”をグレイは指示した。
 それに対してエレナは、麻痺などの状態異常を防ぐ技“しんぴのまもり”を指示した。
 チルットの“しんぴのまもり”によって、ビビヨンの“しびれごな”は防がれる。
(マジか! “しんぴのまもり”で守られたら麻痺させられないし、切り札も効かない! どうするビビヨン?)
 そう思い、グレイはビビヨンと視線を合わせる。
 ビビヨンは『こりゃキツいですぜ……』と言いたげな視線をグレイに送ってくる。
(これは退却ですなビビヨン殿)
 そのような意思を込めながら、グレイはビビヨンに視線を返す。
 なにも相手と力づくで戦うことだけが絆を示す方法ではない。
「チルット“つつく”」
 エレナが再び攻撃を指示した。
「戻れビビヨン。出番だKK!」
 グレイはビビヨンを引っ込め、ギャラドスを出した。
 今までビビヨンがいた場所にギャラドスが現
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