8話目 好敵手(前)
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イが知るのは後のことであるが。
続けてエレナが指示を出す。
「アブソル“かけぶんしん” フォームB!」
アブソルは再び2体に分身する。しかし先と違い、2体は並走してチョロネコに向かってくる。
相変わらず本物がどちらか分からないグレイは、
「両方! 両方を“みだれひっかき”で攻撃」
2体の距離が近いので、両方狙うことにした。
チョロネコが迫りくる2体の真ん中に移動し、迎撃態勢をとった時、
「フォームA!」
エレナが指示すると、並走していたアブソルは突如、お互い正反対の方向に分かれて進み始めた。
「うーん……じゃあ左! 左に“みだれひっかき”」
「構わないで! アブソル、全力で攻撃!!」
グレイは適当に、左へ向かったアブソルへの攻撃指示を出した。それを聞いたエレナも新たな指示を出した。
しかしここで、チョロネコはグレイが指示した左のアブソルではなく、右のアブソルに攻撃を開始した。
(オレが指示した方と違う奴を……?)
チョロネコが攻撃した右のアブソルは突如消え去った。影分身の偽物であったのだ。
攻撃を外したチョロネコに、アブソルの全力の攻撃が襲い掛かる。アブソルは“かみつく”をくらわせ、鋭い鎌の形の角で斬りつけ、刃の形の尻尾で斬りつけ、再度“かみつく”をくらわせた。アブソルの一連の動きは、まるで舞っているように見えた。
最後にアブソルが決めた“かみつく”は、チョロネコの急所に当たった。
チョロネコは戦闘不能となって倒れた。
「ナイスファイト」
そう言い、グレイはチョロネコをモンスターボールに戻した。
グレイには、チョロネコが何故指示を無視したか分かっていた。
(オレの指示とは違う事をして、相手を騙そうと思ったんだろ? 結果的には失敗だったが、お前の行動は良かったぜ)
グレイは、ちらっとエレナを見ながら思う。
(それにしても、エレナ指示は的確ですごいな……バトルに勝つことをポケモン任せにしないで、自分のトレーナーとしての腕を日々磨いているんだろうな……)
今度は視線を相手のアブソルに移す。
(エレナの的確な指示もすごいが……指示を忠実に実行するアブソルもすごいな。あのアブソルはエレナの指示を一切疑うことなく行動している。よほど厚い信頼関係があるんだろうな……)
そしてグレイは思う。
(このままでは終われない……オレもポケモンとの絆を見せなければ……それに何より、本気の相手には本気で応えるべきだ!)
そう思い、グレイは一番付き合いが長く、一番心が通っているポケモンが入っているモンスターボールを取り出した。
グレイは2体目のポケモンとして、きれいな翅をもつ蝶のような見た目の、虫タイプかつ飛行タイプのポケモンのビビヨンを出した。
ところで、ポケモンは技を
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