8話目 好敵手(前)
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、エレナに向かって言う。
「一流のトレーナーを目指して毎日鍛錬してるエレナなら、さぞかし簡単にバトルでオレを倒せるんだろうな?」
グレイの言葉を宣戦布告と受け取ったエレナも、不敵な笑みを浮かべて言葉を返す。
「もちろんよ! ……前にアナタと戦った時は、まだアタシが初心者のトレーナーだったけれど、今はもう違うんだから!」
「ほう? 5週間程度でそんなに変わるものかぁ?」
「いいわ。グレイ、バトルしましょう。アタシたちの強さ、見せてあげる。リベンジも兼ねてアナタたちをボコボコにしてあげる」
(今日のノルマはこれで達成かもな)
エレナを挑発し、まんまとバトルに誘うことに成功したグレイは、そう心の中で思った。
グレイにとってバトルとは、自分のギャラドスの戦闘欲求を満たすための手段である。グレイは毎日、戦闘狂のギャラドスが満足するまで戦闘の場を提供するという、ある意味ではノルマがあるのである。
そしてグレイは、ノルマを効率よく達成するには強敵を用意すれば良い、という事に最近気がついた。ギャラドスが求めていることは、雑魚を蹂躙することではなく、強敵と死闘を繰り広げることであると。
グレイはエレナと共にバトルできる場所を探すためにレストランを出た。
グレイはバトルが許可されている適当な広場を探すつもりであったが、エレナが『全力でアナタを倒したい』と言い出したので、町の外の野原で行うことになった。
グレイには、エレナが何故そこまで全力で倒したい程に自分を敵対視しているか分からなかった。
バトルはお互い3体のポケモンを使うことになった。
「頼んだぞチョロネコ!」
そう言ってグレイは、紫色の猫のような見た目の、悪タイプのポケモンのチョロネコを繰り出した。
いくらギャラドスの戦闘欲求を満たすのが目的とは言え、ギャラドスだけが強くなるのを避けたいグレイは、他のポケモンも戦闘に参加させることにしている。
「チョロネコね。なら同じ悪タイプ同士の戦いなんてどうかしら?」
そう言い、エレナはアブソルを繰り出した。
アブソル、わざわいポケモン。白い体毛に覆われた四足獣のポケモンで、顔の横には鋭い鎌の形をした角が片方側だけ生えていて、尻尾も鋭い刃の形をしている。悪タイプのポケモンである。
チョロネコとアブソルが対峙する。高さはチョロネコが0.4m、アブソルが1.2m。体が大きいアブソルの方が威圧感がある。
両者とも準備が整い、お互いにバトルの開始を宣言する。
「チョロネコ“すなかけ”」
グレイは、相手の命中率を下げる技“すなかけ”で、まずは相手の動きを見る。
「アブソル避けて! 右! 前! 左! 木を盾にして! 跳んで右! 前!」
対するエレナはアブソルに回避を指示する。その指示は、グレイのそれよりも具体的か
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