8話目 好敵手(前)
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は驚いた顔をした。しかしグレイは手を緩めない。今日のグレイは、かつてない程に本気でバトルしているのだ。
混乱してしまって無抵抗のジュプトルを、ビビヨンは至近距離から攻撃し続ける。そしてジュプトルの体力が底を尽きるという時……エレナの魂の叫びが運命を動かしたのか、混乱して変な動きをしているジュプトルの草の剣が偶然にもビビヨンに当たった。
ビビヨンは痛みで反射的にその場からのけ反る。それによって“むしのていこう”の狙いがズレて、ジュプトルを戦闘不能にするのが遅れた。
そして生まれた空白の時間に、ジュプトルは正気に戻り、ビビヨンから距離をとったのであった。
「ジュプトル!!!」
エレナは思わず声を上げた。まさに奇跡が起こった。
今、ジュプトルは大ダメージを受けていて、1発でも攻撃が当たれば倒れるであろう状態である。それを察したグレイが指示を出す。
「ビビヨン、止めを刺せ!」
「ジュプトル! 銃!」
ビビヨンの“むしのていこう”とジュプトルの“タネマシンガン”が正面からぶつかった。しかし先ほどと違い、“タネマシンガン”が圧倒的な威力で“むしのていこう”を押し切ってビビヨンに命中する。
これは、ピンチの時に草タイプの技の威力が上がる、というジュプトルの特性しんりょく、の効果によるものである。
「なんだよ? その威力!」
今度は演技ではなく、本当に驚いてグレイは言った。
「逃げろビビヨン! 遠くから攻撃」
「ジュプトル! そのまま続けて」
遠距離での撃ち合いに発展するが、ジュプトルの“タネマシンガン”がビビヨンの“むしのていこう”を圧倒する。
「こうなったら……ビビヨン、相手に近づけ! 近くで滅茶苦茶に動いて攻撃」
相手のビビヨンがジュプトルに近づき、近くで滅茶苦茶に動きながらジュプトルを狙う。
しかしジュプトルは、ビビヨンが近くを通りがかった際に草の剣で一刀両断した。
「ビビヨン、“ちょうおんぱ”」
「ジュプトル、銃で防御、剣で攻撃」
ビビヨンは再び混乱させようと“ちょうおんぱ”を放つ。しかしジュプトルの圧倒的な“タネマシンガン”で打ち消されると同時に、ジュプトルが右手の草の剣でビビヨンを全力で斬りつけた。
ビビヨンは戦闘不能となり、倒れた。
感極まったエレナは、超えるべき壁を1つ超えたジュプトルに泣きながら抱きついた。同時に、自分がこんなにも感情的な人間であった事に驚いた。
エレナとグレイのバトルはまだ続く……。
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