8話目 好敵手(前)
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のでしょう!? あのビビヨンを超えたいのでしょう!?」
エレナの言葉で気合を入れたジュプトルは、気力を振り絞った。
ジュプトルの左手が変形し、ついに完璧な大砲の形へと変化した。
ここに……ジュプトルは“リーフブレード”と“タネマシンガン”を同時に操ることに成功したのだ。
「ジュプトル! やればできるじゃないの!! これなら勝てるわ!!」
エレナは柄にもなく大声でジュプトルの成長を喜んだ。
「おいおいマジかよ……」
右手に草の剣、左手に大砲を装備したジュプトルを見たグレイは、いかにも困った声でそう言った。
「ジュプトル! 銃で攻撃! 接近戦よ!」
ジュプトルは、飛来するビビヨンの特殊攻撃技“むしのていこう”に向かって“タネマシンガン”を放つ。
しかし、2つの技を同時に操っている影響か、先ほどよりも“タネマシンガン”の威力が低く、相手の“むしのていこう”を完全に打ち消すことができず、ジュプトルに飛来する。
「剣で弾いて!」
“タネマシンガン”で打ち消せなかった分は、“リーフブレード”で弾き跳ばす。そのままビビヨンにガンガン接近していく。
「おいおい、どうすんだよ……これ」
グレイは焦ったかのように、そう口に出した。
相手のビビヨンもあからさまに焦った様子で右往左往している。
(アタシとジュプトルの勝ちね!)
そうエレナは確信した。
ジュプトルがビビヨンとの距離を詰めきり、ジュプトルが剣で攻撃しようとした時……
「なんてな。ビビヨン“ちょうおんぱ”」
(えっ!?)
グレイは、相手を混乱させる技“ちょうおんぱ”を指示した。ビビヨンから放たれた超音波がジュプトルに命中した。ジュプトルは混乱してしまった……。
エレナは自分の指示に対して、吐き気がする程の後悔の念が生じた。
(そうよ!! 相手の技は3つしか分からなかったじゃない!! ジュプトルの成長に浮かれて油断するなんて……限界を超えたジュプトルの頑張りが無駄に……ああ、アタシはなんて愚かなトレーナー……なの……)
「この勝負はオレたちの勝ちだな」
エレナの壮絶な思いを知らないグレイは、淡泊にそう言った。
(グレイもビビヨンも、直前まであんなに焦った様子だったのに……全部、演技だったってコト……!? なんて、憎たらしい……)
グレイの無慈悲な指示が下される。
「ビビヨン“むしのていこう”」
「ジュプトル! お願い! 攻撃して!!」
ビビヨンの“むしのていこう”が、ジュプトルにダメージを与える。
ジュプトルは混乱していて、訳も分からず自分を攻撃してしまう。
「ジュプトル! 正気に戻って!! ジュプトル!!!」
エレナは今までのバトルで一度も出したことがない程の大声で叫ぶ。
そんな見たことのないエレナの様子に。グレイ
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