7話目 決心
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モグリューを使うトレーナーとバトルした日の翌日。
朝のコンドシティ。その町外れに停車しているトラックから、グレイが起きてくる。
コインとギラドは先に起きていたらしく、キャンプ用のテーブルとイスを広げて朝食をとっていた。
起きてきたグレイを見て、ギラドが声をかけてくる。
「やあグレイ君、おはよう。よく眠れたかい?」
「ええ、ぐっすりと。朝食オレの分はこれですか?」
「そうだよ。コーヒーはあっちにあるからね」
今度はコインが話しかけてくる。
「よおグレイ、昨日もお疲れさん。どんな感じだった?」
「昨日は4人と戦った。見物人が多かった試合でギャラドスに活躍させたから、我ながら良い仕事したと思うが」
「そうかい。そんじゃあ今日の商売が楽しみだねえ。俺としては、そろそろお前さんにもステマだけじゃなくて商売も手伝ってもらいてーんだがねえ……」
「あんたが『コイキングは秘密のポケモンで貴重なポケモン』って言ったらそれを否定して、水辺ならどこでもいるポケモンってことを説明してもいいなら手伝うが」
「お前さんの『嘘はつかない』って信念かい? はぁー……お前さん、不良っぽいくせに変なところで正義感があるから困るぜ」
グレイとコインがそんなやりとりをしていると、ギラドが割って入ってくる。
「まあまあコインさん。グレイ君のおかげで利益も出ている訳ですし……ステマをやってくれるだけで十分じゃないですか」
「増えた分の利益は、グレイのバイト代、グレイとグレイのポケモンの食費代、に全部消えてるけどな」
「赤字じゃないなら良いじゃないですか」
グレイとコインが言い争っていると、ギラドがグレイの肩をもって言い争いを収める。いつもの光景である。
グレイにとっては、コイキング売りの生活は既に日常になっていた。しかし、
(オレ、この生活をいつまで続けるんだ? 大人になってもコイキング売りをやるのか?)
ふとグレイはそんな事を思った。
時刻は夕方。グレイはコンドシティをぶらぶら歩いていた。
ステマ活動はトレーナーが集まる夜にすればよい。
また最近は、グレイのギャラドスは夜のステマ活動でのバトルで戦闘欲求を満たせるらしく、1日中戦闘を求めるようなことは無くなった。成長して少し落ち着きがでてきたのかもしれない。
そんな訳で、グレイは夜まで特にやることがない。
(夜になるまでビビヨンとチョロネコだけで特訓するか? ギャラドスには秘密で)
そんな事を考えながら、露店が並ぶ狭い道をぶらぶら歩いていると、脇の露店のイスに見覚えのある人物がいた。
「よう! エレナ」
「あら……? グレイじゃない! こんな所で偶然ね、元気にしてたの?」
「元気だったさ。親切な誰かが金を貸してくれたおかげで」
見覚えのある人物はエレナであ
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