7話目 決心
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をやめてエレナの方を見ながらそう言った。
「行け! オニドリル! オオタチ!」
目つきの悪い女は、ドリルのような鋭いクチバシをもつ鳥のようなポケモンのオニドリルと、胴の長いイタチのようなポケモンのオオタチを新たに出した。
「おい! オニドリル“ドリルくちばし” オオタチ“みだれひっかき”」
女はそう言いながら、攻撃対象を指でさした。女の指がさしたのはチルットではなく――
(えっ……!? アタシ?)
敵のオニドリルの“ドリルくちばし”と、オオタチの“みだれひっかき”がエレナに迫る。
(し、死ぬ――)
エレナは突然のことに対応できず、手を前に出して目をつぶることしか出来ない。
しかし、攻撃が到達するタイミングになってもエレナに痛みは訪れない。
(ど、どうなったの……?)
エレナは恐る恐る目を開け、状況を理解した。エレナのチルットが、敵のポケモン2体の攻撃を受け止めていた。
2体の攻撃技を受けて大きなダメージを負ったチルットは、戦闘不能となって倒れた。
「あっははは! トレーナーをかばって戦闘不能になるとは! 泣かせるねぇ!」
目つきの悪い女がエレナに向かってそう言葉を投げかけた。
(……ゆるせない!)
エレナに言いようのない怒りが湧いてくる。人を襲うように指示した女に対して。それから、突然のことに動揺したせいでチルットを戦闘不能にしてしまった自分自身に対して。
(ポケモンに守られるだけでなく、ポケモンを守るのがトレーナー。そうでしょうエレナ?)
エレナはそう自分に言い聞かせ、モンスターボールを2つ取り出して新たにポケモンを出す。
「ジュプトル、アブソル、アタシを信じて! アタシがアナタたちを導いてみせるから」
エレナは新たな決意を胸に、指示を出し始めた。
********
性格の悪そうな男のオーベムを倒したグレイは、ポケモンマルチナビ、略してポケナビという多機能な携帯端末を使って男を警察に通報し、警察の到着を待っていた。
ちなみに男はギャラドスの長い胴体に巻かれている。
グレイが『少しでも怪しい動きをしたら締め上げる』と脅したら男はおとなしくなった。
しかし男もなんとかして逃げようと、グレイにしつこく言葉をかけてくる。
「お、おれは、お前の財布は持ってないぞ!」
「んな事、分かってるよボケ!」
「に、逃げた女を追ったらどうだ!? お、おれを捕まえてもお前の財布は戻らないぞっ!」
「逃げた女は、オレの友達が追っている。オレの分の財布も取り返してくれるだろう」
「ほ、本当に取り返せると思うのか!? あの女は人を容赦なく攻撃する暴力人間なんだぞっ!」
「それはテメエもだろうがカス!!」
暴言で答えるグレイだが実際の所は図星で、エレナの事は心配でもあった。
(エレナ
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