7話目 決心
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を攻撃して吹っ飛ばし、道を開けた。
「グレイ、逃げた女はアタシが追うわ。アナタの財布も取り返すから」
エレナは逃げた女を追いかけながら、そう言った。
「ああ、まかせた」
とグレイは反射的に答えた。エレナが逃げた女を追って、路地裏の奥に入っていく。
つい反射的に『まかせた』などと言ったが、グレイは判断ミスだと思った。エレナを呼び止めようとしたが、既に姿はない。
財布を盗んだ者たちは、ある意味では裏世界の人間である。裏世界には、ポケモンを1体ずつ戦わせるなどというルールは存在するはずなく、人間には攻撃してはいけないというルールも存在しない。エレナは一流のポケモントレーナーを目指しているので、以前グレイと戦った時よりもバトルは強くなっているだろう。しかし、所詮は普通の女の子である。不良少年を経験し、浅いながらも裏世界を知っているグレイとは違う。
グレイが、エレナを1人で行かせたことを後悔したのは、そのような理由であった。
「オーベム! “サイコキネシス”だ」
再びグレイを狙った一撃が放たれる。グレイは我に返り、横に避ける。グレイに当たらなかった “サイコキネシス”はゴミ箱に命中した。ゴミ箱は跡形もなくはじけ飛んだ。
ゴミ箱を跡形もなく消した“サイコキネシス”の威力を見たグレイは、相手のポケモンが相当強いことを察し、警戒を強める。
(まあ不良レベル程度の裏世界なら、強いポケモンを多く持ってる奴が勝つってのも基本だ。ここはエレナを信じよう)
そうグレイは考え、先にこちらをどうにかすることにした。
相手が『オーベム』と呼んだポケモンをよく見る。二足歩行で大きい頭をもち、手の先には短い指が3本あり、全体的に宇宙人っぽい見た目をしている。
(見たことないポケモンだけど、エスパータイプの攻撃技“サイコキネシス”を使ってきたし、たぶんエスパータイプのポケモンだろ)
そう考え、グレイは作戦を考える。不謹慎だが、ポケモンバトルではない久しぶりのポケモンを使った暴力に対してグレイは少しワクワクしていた。
ちなみに、オーベムは相手の記憶を操作する力があり、オーベムに敗れた者は都合の悪い記憶を消されてしまう。
財布を盗んだ2人組は、盗まれたことに気づかせないスリ技術をもつレパルダスと、もし気づいて追ってきたとしても気絶させて記憶操作をするオーベム、これらを使って長い間常習的にスリをしていたのである。グレイがこれを知るのは後のことだが。
グレイは、性格の悪そうな男と、男のポケモンのオーベムを相手に本格的に戦いを始めた。
「KK! とりあえず攻撃」
ギャラドスは敵のオーベムを尻尾の一撃で吹っ飛ばした。オーベムは地面に激突し、いきおいで壁にも激突した。しかし大きなダメージはないように見える。
「KK“かみつく” ビビヨ
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