7話目 決心
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まい、レパルダスに避けられた尻尾による一撃はテーブルとイスの一式を粉砕してしまった。
(やべえ! 取り返した財布の中身が、弁償代で消えてしまう!)
そう思ったグレイは、ギャラドスをモンスターボールに戻し、代わりに体が小さい2体のポケモン、きれいな翅をもつ蝶のようなポケモンのビビヨン(高さ1.2m)と、紫色の猫のようなポケモンのチョロネコ(高さ0.4m)を出して追わせた。
後からエレナも追いついてきた。どうやらエレナも財布を盗まれたらしい。
グレイの財布を奪ったレパルダスは追跡劇の開始後、早々に路地裏に入り、グレイの前から姿をくらました。ポケモンに追わせているから良いものの、夕方をむかえて薄暗く視界の悪い路地裏である。グレイだけならば完全に逃げ切られていた。
グレイとエレナは、チョロネコの案内で路地裏を進んでいた。しばらくすると、路地裏の曲がり角の前にビビヨンがいるのを見つける。
「この角の先にいるのか」
そう言って、グレイはエレナと共に角を曲がる。
「おい! 財布返せよ」
グレイはそう言った。財布を盗んだレパルダスに向かってではなく、盗まれた2人の財布を片手で持ちながらレパルダスを撫でている目つきの悪い女に向かって。
よく見れば、目つきの悪い女の他にも、性格の悪そうな男が横に立っている。
目つきの悪い女がレパルダスを批難する。
「おい、バレないようにやれって言ったろ……!」
その言葉に対してグレイが言う。
「お前が指示して盗ませたのか」
「そうだよ。なんか文句ある?」
「もう一度言うぞ……財布を返せ!」
グレイと長い付き合いのビビヨンは、グレイの言葉で実力行使の気配を察したのかグレイの前に出る。それにつられてチョロネコもグレイの前に移動した。
「ははっ! 誰が返すかよクソが!」
そう言い、目つきの悪い女はレパルダスと共に路地裏のさらに奥へ入っていく。
グレイは即座に追いかけようとするが、
「“サイコキネシス”だ」
性格の悪そうな男が、ポケモンを出しながらそう言い放つ。
「うお!?」
突然放たれた“サイコキネシス”をグレイはとっさに後ろに下がって避けた。グレイが避けたことで、 “サイコキネシス”はグレイが立っていた地面のコンクリートに当たった。コンクリートは地面から剥がれて砕けた。
「てめえ! 人に向かってポケモンの技を放つとはどんな神経してんだ!」
「いやあ、きみのポケモンに放ったはずなんだが、おかしいねえ」
白々しい、とグレイは思った。逃げた女を追わなくてはいけない状況で、非常に邪魔である。
グレイは狭い路地にも関わらずギャラドスを出して指示する。
「ビビヨン、KK、チョロネコ! あのポケモンをとめろ!」
3体がかりで、性格の悪そうな男が出したポケモン
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