7話目 決心
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実はこのギャラドスは、元々はコイキング売りの商品だったんだ」
「え? でも今、知り合いのおじさんに貰ったって……」
「その知り合いのおじさんこそ、コイキング売りだ。オレはな……コイキング売りとコンビを組んでるんだ」
グレイはエレナに、自分がコイキング売りの仲間であることを素直に話した。
グレイがコイキング売りの仲間であることと、仲間になった経緯を聞いたエレナは、グレイに対して少し強い口調で言う。
「ねえグレイ、コイキング売りは今すぐ辞めるべきよ。アナタだって人を騙すのは気分の良いものじゃないって思っているんでしょう?」
「ああ、いや……オレのやっている事はギャラドスで戦うことで、進化前のコイキングを宣伝するってだけで、オレが騙してる訳では――」
「でも! その人たちからバイト代をもらってるってことは、騙しているのと同じことでしょう?」
「まあ……そうだな」
「アナタがそんな人だなんて思わなかった」
――『そんな人だなんて思わなかった』――エレナのその言葉は、グレイの心に少し刺さった。
「アタシ、アナタに人を騙すような生き方をして欲しくないの」
エレナの真剣な眼差しに、グレイは少し戸惑った。
(こんな真剣に目と目をあわせて誰かと話しをしたのって、いつ以来だろうな……最近では親も目ぇあわせて話してくれなかったし……)
露店の脇のイスに座りながら真剣なやり取りをするグレイとエレナ。そんな2人の隣で暇そうにとぐろを巻いているギャラドス。そんな状況の中、2人の横を通り抜けていくポケモンがあった。
「ん? なんだこいつ?」
グレイが自分の横を通り抜けたポケモンに気がついた。
2人の横を通り抜けたのは、紫色で豹のような引き締まった体に、猫のような少し可愛い頭をもったポケモンであった。
「こいつは確か、レパルダス……!!」
レパルダスは、チョロネコの進化後のポケモンである。進化前のチョロネコを持っているグレイは、この系統のポケモンがいかに盗みが上手かを知っていた。グレイは、去っていくポケモンがレパルダスであると気が付いた瞬間、自分の財布を確認した。
「くそっ! やられた!! エレナ、財布は無事か?」
「えっ? どういうこと?」
「オレはあのポケモンに財布盗られた!」
グレイの言葉で状況を理解したエレナは、急いで自分の財布を確認する。
グレイは横で暇そうにしていたはずのギャラドスに、逃げ出したレパルダスを捕まえるよう指示しようとしたが、流石、ミスター戦闘狂ことグレイのギャラドスは敏感に戦闘のにおいを察知し、グレイの指示なく既に全力で追っていた。
しかし露店が並ぶ狭い道は、巨体のギャラドス(高さ6.5m)が活躍できるフィールドではなかった。ギャラドスが飛び立った際、露店の看板をぶち破ってし
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