7話目 決心
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「へえ…どんな奴なんだろうなあ?」
「アタシも腕試しのために、その強いギャラドスを使うトレーナーと戦いたいんだけど…なかなか見つからないのよね。グレイ、なにか知らないかしら?」
「ちなみにオレ、ギャラドス持ってるけど」
「そうなの? もしかして、強いギャラドスを使うトレーナーってアナタのことだったりして」
先ほどエレナに『この町に強いギャラドスを使うトレーナーがいる』と言われた時から、グレイは噂のトレーナーの正体は自分の事ではないかと思っていた。
しかし自惚れな奴だと思われたくなく、さらにギャラドスの話題になって出会いを詳しく訊かれると困るグレイは、適当にはぐらかす。
「それは自分では何とも……」
「ね! アナタのギャラドス、ちょっと見せてくれない?」
しかしギャラドスを持っていると言ってしまった時点で、話題がギャラドスのことに移ることは変えられない流れであった。
(見せるだけなら大丈夫だろう)
そう思ったグレイはエレナにギャラドスを見せることにした。
「出てこいKK!」
グレイはギャラドスをモンスターボールから出した。長い胴体をもつ青い龍のようなポケモンが現れる。
飯の時間でもないのにモンスターボールから出されたギャラドスはバトルを期待していたようだが、違うと分かるや否や不機嫌になり、グレイを強く睨み付けた。
(ああ……悪かったよKK)
グレイは冷や汗をかきながら心の中でギャラドスに謝った。
「へえ……さすが……凶悪ポケモンの名に恥じないふるまいね……」
自分の主に向かって殺意のこもった視線を送るギャラドスを見たエレナは、若干引きつった表情でそう口にした。
(ギラドが持ってるギャラドスは、もっと素直で従順な奴なのにな……)
グレイは心の中で不満をつぶやいた。
エレナが再度、口を開く
「グレイは、このギャラドスとどこで出会ったの?」
「こいつは、知り合いのおじさんに貰ったコイキングを育てて進化させたんだよ」
「あら、野生のポケモンを捕まえた訳ではないのね」
グレイはギャラドスの出会いについて訊かれてドキッとしたが、エレナはそれ以上ギャラドスとの出会いについて追及してくることはなかった。
グレイは自分が嘘をつくことなく、自分がコイキング売りの仲間であるという事を隠すことができて安堵したが、同時にある考えが浮かぶ。
(エレナには、正直に全て話すべきじゃないか?)
グレイがエレナと会話したのは2回だけである。しかし、出身の町の外において唯一の知り合いであるエレナを、グレイは親友のように思っていた。
本当の自分を隠したまま、親友と接し続ける。それは、例え嘘をついていなくとも、自分が反面教師にしている商売人コインによる客を騙す行為と同類ではないか、そうグレイは思った。
「エレナ、
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