7話目 決心
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った。グレイと同じジュニアハイスクールを卒業し、今は一流のポケモントレーナーを目指して旅をしているグレイと同い年の少女である。
お忘れかもしれないが、グレイはエレナに金を貸してもらい、それを返していない。もちろんグレイが借金を踏み倒して逃げた訳ではなく、単に会う機会が無かっただけであるが。
「エレナ、前に会った時は金を貸してくれてありがとな。返すよ」
「あらどうも。あの……言い方はアレだけど……もうお金には困ってないの?」
「ああ! もう大丈夫だ。貯金してるからな」
「そうなの? アナタ、親からお金もらってないんでしょう? 自分で稼ぎながら旅するのって、大変じゃない?」
「ああ…まあ…意外と…なんとかなるん…だよ…意外と…ね…」
グレイは歯切れ悪く答えた。
グレイは、コイキング売り一行に食と寝床を無料で提供してもらい、さらにバイド代まで貰っていることから、財政状況は非常に良好であった。しかし、
(コイキング売りの仲間として仕事してるから、金には困ってない……なんて言える訳ないよなあ……)
グレイが歯切れ悪く答えた理由はこれである。
コイキング売りは、ポケモンに無知な者を騙して利益を得るあくどい商売である。もちろんコイキングが本当に必要で買っていく者もいるのだが、商売人コインの嘘に騙されてコイキングを買った者が確かにいることをグレイは知っている。
(なるほどなあ……コイキング売りやってると、どうやって金稼いでんのか説明できないってのは困るところだな。いわゆる『人に言えない職業』だもんな……)
コイキング売りの仲間になってから一度も知り合いに会っていないグレイには、今日になって初めて気がつく事であった。
そんなグレイの考えを全く知らないまま、エレナは新たな話題をもちだす。
「ところでグレイ、コイキング売りって知ってる?」
「ああ!? ああ、知ってる。コイキング売りだろ? もちろん知ってるさ」
突然コイキング売りの話題を出され、一瞬グレイは焦った。
(コイキング売りの事ならよく知ってるさ。エレナが知らない事まで……とても詳しくな)
と思ったグレイだが、口には出さない。
エレナは、コイキング売りの話題を続ける。
「知っているならいいの。最近、このコンドシティにコイキング売りがいるらしいから、グレイも気をつけた方がいいわ」
「気をつけるって言っても……コイキングがどういうポケモンか知ってれば、騙される事なんかないだろ?」
「アタシもそう思うの。でもね、そのコイキング売りの店で、なぜかトレーナーがコイキングを買っているらしいのよ」
「へえ…なんでだろうな? 強いギャラドスと戦って、自分もギャラドスが欲しくなったのかもな」
「そういえば最近、この町に強いギャラドスを使うトレーナーがいるって話を聞いたわ」
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