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ツギシティは夕方になっていた。
グレイが怪しいおじさん達とコンビを組んでから初めての仕事が始まろうとしていた。これからグレイはコイキングのステマ……ではなく、知り合いのおじさんに借りたギャラドスを使って町にいるトレーナーとバトルをしに行こうとしていた。
ギラドが口を開く。
「グレイくん。君はこれから、ただバトルをしに行くだけですよ。君はコイキング売りのおじさんなど知らないのですよ」
すると横からコインが口をはさんでくる。
「そうは言っても、『このギャラドスは5000円で買ったコイキングを育てたんだ』ぐらいの事は言って欲しいねえ」
グレイは1つ疑問があり訊ねる。
「そういえば、このギャラドスは商品のコイキングを成長させて進化させたんですか?」
「違いますよ。これは古い友人から譲っていただいたポケモンです」
とギラドが答えた。
この答えを聞いたグレイは、コインに向かって言う。
「じゃあ、『5000円で買ったコイキングを育てた』とは言えねえじゃねえか!」
「そのくらいは口から出まかせで良いんだぜ。商売だからな」
「ふざけんな! 不都合は真実を言わないのは許容できるが、嘘は絶対言わないからな。オレは詐欺に加担するつもりはねえ!」
「分かってねえな兄ちゃんよ。商売ならな、そのくらいの嘘は嘘の内に含まれねえよ」
「オレに嘘を強要するなら協力はしねえぞ!」
「なんでい! 最近の若けえモンは、真面目すぎていけねぇな」
グレイとコインが言い争っていると、ギラドが仲裁に入る。
「まあまあコインさん、嘘の強要はいけませんよ。あくまでもグレイ君の仕事はバトルすることなんですから。嘘つくのはコインさんの仕事でしょう?」
「なんでえ! お前さんまで兄ちゃんの味方かい。分かったよ兄ちゃん、好きにやんな」
そんなこんなで、グレイの初仕事が始まった。
「そのギャラドスって、君が育てて進化させたのかい?」
適当にトレーナーを見つけてバトルした後、こんな事を訊かれた。
グレイはこの仕事をする際、不都合な真実を自分から言わないことはするが、嘘をつくことはしないと決めていた。なので、正直に答える。
「知り合いのおじさんが貸してくれたんだよ」
それに対して相手は答える。
「やっぱりね。なんか君とギャラドス、互いが互いの事を理解しようと模索している途中って感じだったよ。まあ、そんな君たちに負けたのは反省すべき事だけどね」
そのトレーナーと別れた後、何人かトレーナーとバトルして勝ったり負けたりしたが、どのトレーナーにもグレイとギャラドスが出会って日が浅いことがなんとなく分かっている様子であった。
(やはり、ポケモンと心を通わせるトレーナーは、オレとギャラドスの関係がどんなものか分かるようだな)
コイキングのステマのた
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