2話目 金欠
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る技である。無敵状態が解けた後はしばらくの間“まもる”は使えなくなる。
ビビヨンの技“まもる”によって、キモリの攻撃は防がれた。
「キモリ! とにかく距離をとって!」
「ビビヨン、逃がすな! “むしのていこう”」
無敵状態のビビヨンは防御のことを考えなくてよい。逃げるキモリを追いかけて、“むしのていこう”を次々に命中させた。
ビビヨンの無敵状態が解けたとき、キモリは力尽きていた。
こうして、エレナとキモリは敗北した。
********
バトルの後、グレイとエレナはポケモンセンターの休憩所で会話していた。
「エレナは一流のトレーナーを目指して旅をしてんのか?」
「そうよ。アナタもそうなんでしょ? これからはライバルね」
「いや……オレは一流のトレーナーを目指してる訳じゃない」
「そうなの? 義務教育が終わってすぐにポケモン連れて旅に出るなんて、一流のトレーナーを目指す人くらいじゃないの?」
「オレは、家出なんだよ」
「へえ……家出ねぇ……」
この時グレイは、次にエレナが会話の話題をどこにもっていくか注意深く聞いていた。今グレイは、この会話を使ってある目的を達成することを目論んでいた。目的を達成できるかどうかは、次にエレナが話題をどこにもっていくかで大きく左右される。
エレナが再び口を開く。
「家出ってことは……お金とかどうしてるの?」
グレイは内心ガッツポーズする。この流れこそ、求めていた流れである。
グレイは慎重に言葉を選び、答える。
「金は、このサイショタウンでアルバイトして稼ごうと思ってたんだけど……この町、思ってたより小さくて、働く場所がなくて困ってんだ」
一気に勝負を決めるぞ! そう思いながらグレイは続けて口を開く。
「エレナさん、あなたにお願いしたいことがあるのですが……」
「え、何? 急に敬語使ったりして……」
「エレナさん、ぼくにお金を貸してくれませんか?」
「え? お金?」
グレイは今自分がおかれている状況を説明した。
グレイの全財産が入った財布を見たエレナは、迷う素振りなくグレイにお金を貸してくれた。あてもなく家出した挙句、男が女から金を貸してもらうとは色々とダメな気もするが、グレイは緊急時にはプライドを躊躇なく捨てられる男であった。こうして聖母エレナの慈悲により、グレイは自身の食事と睡眠を確保しながらツギシティに向かうことができるようになった。
実のところ、グレイはポケモンセンターでエレナと出会った時から、エレナとポケモンバトルして親密になり、金を貸してもらうことができないかと考えていた。
(計画は完璧に成功した! オレは数日間の食事と睡眠を得た! オレの完全勝利だ!)
グレイがそんな邪なことを考えていると、エレナが口を開く
「ねえグレイ、も
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