暁 〜小説投稿サイト〜
トラベル・ポケモン世界
2話目 金欠
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撃ち合いをしないの? 有利なのはビビヨンの方なのに…)
 ビビヨンが使う“むしのていこう”は虫タイプの技であり、草タイプのキモリには効果抜群である。キモリが使う“メガドレイン”は草タイプの技であり、虫タイプかつ飛行タイプのビビヨンには効果はいまひとつである。ゆえに、技を撃ち合えば、有利なのはビビヨン側である。
 エレナはキモリに“メガドレイン”を指示したが、自分としてはあまり良い指示ではないと思っていた。しかし他に策がないので、一方的に遠距離から攻撃されるよりはマシと思って指示したのである。
(もしかして……バトルの最初で決めた攻撃が、実はかなり効いているのかしら?)
 ならば、試しに短期決戦をしかけてみようと考え、エレナはキモリに指示する。
「キモリ、距離を詰めて。相手の“むしのていこう”は最悪当たってもいいから、相手の“いとをはく”だけは気を付けて!」
 指示通り、キモリは距離を詰める。
 それに対してグレイもビビヨンに指示を出す。
「ビビヨン! “むしのていこう”と“いとをはく”を使って、いい感じに戦え」
 グレイの出した指示を聞いて、エレナは思う。
(この大事な場面で、なんて適当な指示……それとも、ビビヨンにダメージが溜っているというのはアタシの思い込み? でも、それだと遠距離攻撃の撃ち合いから逃げた理由が分からないわ……)
「キモリ “メガドレイン”」
「ビビヨン 滅茶苦茶に動いて避けろ!」
 キモリが再び遠距離攻撃の撃ち合いを仕掛けると、やはりビビヨンはその戦いにのってこない。
「キモリ 再び距離つめて」
「ビビヨン! “むしのていこう”か“いとをはく”を使って頑張れ」
 再びキモリに距離を詰めるよう指示すると、再びグレイが適当な指示を出す。
 しかし実際、グレイの適当な指示はエレナを困らせていた。2パターンの技のどちらをどのタイミングで使うか完全にビビヨンのさじ加減であり、ポケモンであるビビヨンは2つの技を考えて使い分けている訳ではない。そのためエレナは事前に読むことができない。
(トレーナーが指示しなさいよ!)
思わずエレナは心の中で叫んだ。
 エレナのキモリは、ビビヨンの攻撃技“むしのていこう”を何回かくらったが、ビビヨンとの距離を詰めることに成功した。
 グレイが新たな指示を出す
「ビビヨン! “しびれごな”」
「キモリ 今!! 突っ込んで!」
 “しびれごな”は相手を麻痺させる技であるが、この技は草タイプのポケモンには効かない。つまり、草タイプであるキモリには効かない。
 ビビヨンの前方に痺れの粉が撒かれるが、構わずキモリが突っ込む。そしてキモリは“でんこうせっか”と“はたく”のコンボを決めにいった。
「ビビヨン “まもる”」
 “まもる”は、少しの間ダメージを受けない無敵状態になれ
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