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トラベル・ポケモン世界
2話目 金欠
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めよう、とグレイは思った。ゴリ押しで勝てる相手ではないし、何よりもエレナとキモリのピッタリと息の合った戦いを見せつけられて、こちらも絆の強さを相手に見せつけなければと思ったのだ。
「ビビヨン、お前も相手の周りを回れ! とにかく移動だ」
 とりあえず1点に留まっているのは危険だと判断し、グレイは移動を指示する。
 エレナは自分のキモリだけでなく、相手のビビヨンもよく観察して戦っている。1点に留まって戦えば、先ほどのようにビビヨンの動きの隙をつかれて例のコンボを決められるだろう。そうなってしまえば終わりである。
「キモリ! もう少し距離つめて」
「ビビヨン“むしのていこう”」
「右に避けて! キモリその距離を保って」
「ビビヨン“いとをはく”」
「キモリ! 下がって!」
(お? 下がった…?)
 エレナのキモリは、ビビヨンの“むしのていこう”に臆することなく距離を詰めてきたのに、“いとをはく”を指示した瞬間、せっかく詰めた距離を放棄して後ろに下がった。
(これは……“いとをはく”を予想以上に警戒してるな。作戦変更だ。)
 グレイは、“いとをはく”を使って相手の機動力を奪うつもりであったが、“いとをはく”に対する相手の警戒が相当高いとみて、今度は“いとをはく”を牽制に使うことにした。
「ビビヨン! “いとをはく”」
「キモリ その場に伏せて」
「ビビヨン“むしのていこう”」
「くっキモリ、右に避けて距離を詰めて!」
「ビビヨン! “いとをはく”」
「下がってキモリ」
(キモリに距離を詰められそうになっても、ビビヨンに“いとをはく”を使わせれば相手は必ず動きを止める……この状況はおいしい!)
 グレイはそう思った。
 互いに動いているので、キモリはなかなか距離を詰められない。さらにビビヨンが“いとをはく”を使うたびにキモリは距離をとっているので、ビビヨンが一方的に遠距離から“むしのていこう”で攻撃できるという構図になっている。

********

 エレナは焦っていた。ビビヨンから一方的に攻撃され、少しずつだがビビヨンの攻撃がキモリに命中し、キモリにダメージが溜っていく。
「キモリ “メガドレイン”」
 エレナは状況を動かすべく、キモリに草タイプの特殊攻撃技“メガドレイン”を使わせた。この技は単なる攻撃技ではなく、相手に与えたダメージに応じて自分の体力を回復する効果もある。
 エレナがキモリに“メガドレイン”を使わせたため、ビビヨンの“むしのていこう”とキモリの“メガドレイン”による遠距離攻撃の撃ち合いに発展する……と思いきや、ビビヨンはさらにキモリとの距離を離した。キモリの攻撃がビビヨンに全く当たらなくなるが、ビビヨンの攻撃もキモリには当たらない。
 エレナはこれを疑問に思う。
(どうして、遠距離攻撃の
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