2話目 金欠
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(それに上手くいけば、急いでツギシティに行く必要が無くなる可能性もある)
グレイには、とある邪な考えが浮かんでいた。
グレイとエレナは、どちらも所持ポケモンが1体であったので、1対1のバトルをすることになった。
グレイはビビヨンを繰り出した。
対してエレナはキモリを繰り出した。
キモリ、森トカゲポケモン。二足歩行するヤモリのような緑色のポケモンである。草タイプである。
(相手はキモリか…)
キモリは森に生息するポケモンであり、コキョウシティやサイショタウンのような開けた場所では見かけないポケモンである。
「もしかしてエレナ お前、ラボ・チルドレンか?」
「そうよ。……あんまり好きじゃないけどね、その呼び方」
ラボ・チルドレンとは、ポケモン研究所から最初のポケモンをもらったトレーナーを指す俗称である。このトラベル地方の研究所でもらえるポケモンは、キモリ、アチャモ、ミズゴロウの3種類のポケモンであり、エレナは3種類の内からキモリを選んだのだろう。研究所からもらえるポケモンは、どれも扱いやすく、育てれば強くなるポケモンであると言われている。
(研究所のポケモンってことはそれなりに強いんだろうが、様子を見るにエレナはキモリと出会って日が浅そうだ。多分、そんなに息はあってないだろう)
とグレイが考えていると、
「キモリ、接近戦!」
エレナがキモリに指示する。次の瞬間、キモリの速攻の攻撃技“でんこうせっか”がビビヨンに直撃し、続けてキモリの攻撃技“はたく”も直撃する。
思わずグレイはつぶやく。
「マジかい……」
多分エレナとキモリは息があってないだろう、と侮っていたらこの有様である。『接近戦!』と短く指示しただけで“でんこうせっか”で攻撃して “はたく”で追撃するというコンボを決めてくるなど、グレイは全く考えていなかった。そして思った。
(息ピッタリかよっ!)
グレイはエレナに対する警戒度を一気に上げた。グレイもビビヨンに指示を出す。
「ビビヨン!“むしのていこう”」
「キモリ、相手の周りを回って!」
相手のキモリは草タイプ、そしてビビヨンの“むしのていこう”は虫タイプの特殊攻撃技である。草タイプのポケモンに虫タイプの技は効果抜群なのである。タイプの相性で有利なことをいいことに、グレイは攻撃技でゴリ押しすることにした。
対してエレナは、キモリをビビヨンの周りを回らせて攻撃を回避することで、近距離を保っている。
「今!」
エレナが一言指示すると、キモリは再び“でんこうせっか”&“はたく”のコンボを決めてきた。見事にビビヨンの動きの隙をつかれた。
「マジかい……」
グレイ二度目のつぶやき。ビビヨンがグレイに、『ダメじゃねーか…』と言いたげに批難めいた視線を送ってくる。
ゴリ押しは止
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