1話目 旅立ち
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時……
「ポッポ! 今だ!!」
相手が声をあげた瞬間、相手のポッポの動きが爆発的に速くなり、ビビヨンが“むしのていこう”を使うよりも早く相手のポッポの攻撃技がビビヨンに当たった。相手の攻撃がくるとは思ってなかったビビヨンは、突然のことに驚き、“むしのていこう”で攻撃するのが遅れた。その隙に、ポッポは距離をとっていた。
グレイは何が起きたか理解し、つぶやく。
「マジか! あれは“でんこうせっか”だな……」
“でんこうせっか”は攻撃技である。目にとまらない速さで相手に突っ込むことで、相手が技を使うよりも早く攻撃できる技である。
「ビビヨン、距離をとれ」
グレイは、相手が“でんこうせっか”を使えるのでは近距離で戦い続けるのは楽ではなく、麻痺させた意味も薄まってしまうと思い、ビビヨンに距離をとるよう指示する。
麻痺しているポッポは、離れていくビビヨンを即座に追うことができず、ビビヨンとポッポの間に距離ができる。
「ビビヨン、“むしのていこう”」
「ポッポ、“かぜおこし”」
どちらも遠距離に届く攻撃技を覚えていたので、今度は遠距離攻撃の撃ち合いに発展した。
しかし、麻痺して機動力が落ちたポッポは、攻撃を避けきれずに徐々にダメージを受けていく。対してビビヨンは、相手の攻撃をうまく避けている。と言うよりも、ビビヨン自身が相手の攻撃を全部避けられる距離を保って戦っている。
ここで、相手のトレーナーは1つ疑問を抱く。
(おかしい……さっき、ポッポの“すなかけ”で命中率が下がっているのに……なぜあのビビヨンは攻撃をあんなに当てられる?)
そんな思いを知ってか知らずか、グレイが口を開く。
「さすがビビヨン、特性ふくがん、のおかげで相手に攻撃がよく当たる」
特性とは、ポケモン1体につき1つ持っている不思議な能力のことである。ポケモンの種類によって特性は大きく異なる。同じ種類のポケモンでも違う特性をもっていることもある。
特性ふくがんは命中率を上げる効果をもつ。これによって、ポッポの“すなかけ”で下がった命中率をカバーしているのである。
(なるほど……あのビビヨンは、特性ふくがん、だったのか……だからあの時“すなかけ”を避けなかったのか)
その後、相手のトレーナーは、“でんこうせっか”をビビヨンに当てるために何度か接近戦にもちこもうとしたが、結局は上手く距離を詰められず、ビビヨンに一方的に攻撃を当てられ続け、ポッポが力尽き、グレイとビビヨンの勝利となった。
「僕の負けだよ。君とビビヨンには深い絆があることがよく分かったよ」
「あなたとポッポも、初めてのバトルなのに息が合っていましたよ」
バトルの後は互いをたたえあい、戦ったポケモンをねぎらった。
ポケモンバトルの正式なルールでは、所持しているポケモンの数に
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